282 聖帝の正体 ページ32
両チームが位置に着く。
全員のメンバーチェンジ。しかも公式戦にほとんど出場していない人物ばかりなので、情報の集めようがない。雷門は動揺していた。
監督は千宮路大悟。キャプテンはキーパー、千宮路大和。
さっきの男──千宮路大悟が言っていたことは、一見すると理が適っているように思えなくもない。
経済的理由、環境的要因。サッカーがしたくても満足にできない人がいるというのは事実だろう。
しかしだからといってサッカーの全てを統制するなんて、間違っている。全ての人が平等にサッカーをできるようにするには、もっと別の方法があるはずだ。
「聖帝……いや、豪炎寺は千宮路に排除されたということか」
鬼道監督の呟きに顔を上げる。
聖帝、豪炎寺……豪炎寺？
──まさかあの、豪炎寺修也？！
頭の中を、電流が駆け巡ったような衝撃が襲う。
開会式での聖帝を見た時の既視感はこれだったのだ。
十年前、FFIで円堂監督たちと共に戦った『炎のエースストライカー』。テレビや雑誌で何度も顔を見た。
「ああ。あいつはサッカーを支配しようとしていたんじゃない、守ろうとしていたんだ。豪炎寺は聖帝となり、探っていた。フィフスセクターや千宮路の動きを」
点と点が線で線繋がっていく。
そうか、だから天馬に接触した時にかけた言葉も……エールだったのだ。サッカーをその手で変えてみせろという、激励。
「あいつ自身、迷っていた。管理サッカーと自由なサッカーの狭間で」
「でも……」
「大丈夫だ」
不安げに眉をひそめる音無先生に、円堂監督がきっぱりと言う。
「一度巻き起こった革命の風は、決して止むことはない」
──キックオフ。
ドラゴンリンクは直後、ボールを誰もいない前線へ高く蹴り上げた。
ボールは弧を描いて霧野へ。対するドラゴンリンクは同点にも関わらず、守備を固めた。
攻め込む雷門。勝ち越しの一点をもぎ取るべく、錦が突き進む。
しかし次の瞬間、私たちは信じられない光景を目にする。
なんどFW四人の背中から──化身が出現したのだ。
「「『精鋭兵ポーン』！！」」
──四体の化身が揃う様は、壮観だった。こんな光景、今まで一度も見た事がない。
そんな……どう突破すればいい？ こちら側の化身使いは同数とはいえ……。
そうこうしているうちにボールを奪われ、化身の力が乗ったシュートがゴールに襲いかかる。
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
