254 巨大な護星神 ページ4
「『フェンス・オブ・ガイア』！」
そして三国さんの必殺技をも、貫いた。
二点目……液晶の表示が切り替わる。またも雨宮の得点だ。
恐るべきスピード、パワー、テクニック。この快進撃を止めることはできないのだろうか。
三国さんはしばらく地面に落ちたボールを見つめていたが、やがて鬼道監督とアイコンタクトを取った。
「キーパー、三国に代わって……西園！」
突然の指示に、信助は大きく動揺した。
しかし三国さんの信頼のこもった視線を受けて覚悟を決めたのか、キーパーのユニフォームに着替えてフィールドへ戻っていく。
信助のいた場所には、車田さんが入った。
化身のシュートに対抗できるのは、この前化身の片鱗を見せた信助──三国さんも鬼道さんも、そう思っての交代を決断したのだろうか。
試合再開。すぐにボールは雨宮へ渡った。
雨宮はそのまま雷門ディフェンスを切り裂きながら進んでいく。
しかし狩屋と対峙した雨宮は──ほんの一瞬動きを止め、10番にパスを出した。
私はその動きに違和感を覚える。そのまま華麗に抜き去り、シュートを放っていそうだったのに。怪我をしたようにも見えなかったが。
新雲10番と信助の一騎打ち。
相手のノーマルシュートを信助は化身で止めようと力を入れたが──その背中に小さくオーラが揺らめいただけだった。
「信助、パンチングだ！」
三国さんの声に我に返り、体勢を立て直した信助は拳でシュートを弾く。
ただボールは運悪く、再び10番の元へ。そして──
「ならこいつだ！──『海帝ネプチューン』！」
化身。
信助は今度こそ化身で対抗しようとしたが……しかし、形にはならない。
「あの特訓を思い出せ！」
再び三国さんの檄が飛ぶ。雷門のストライカーたちのシュートを受け続けた、あの特訓。
──集中。止めることに集中すること。
全神経を、迫り来るシュートを止めることに注ぐ。
「『ヘヴィアクアランス』！」
目を閉じた信助に襲い掛かるシュート。
「雷門のゴールを守るのは──僕だああああっ！！」
その叫びに呼応するように、信助の背中からオーラが噴出した。
それは特訓の時よりもはっきりと現れた。掻き消えることなく膨らみ、人の形を成していき──
「『護星神タイタニアス』！」
巨神の名を模した化身が、誕生した。
そして全身で、シュートを食い止めてみせる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
