279 せめぎ合う両者 ページ29
「『デスドロップ』！」
「『シュートブレイク』──ぐああっ！！」
シュートは敵の技を突き破り、ゴールに刺さる。
同点ゴール。これで追いついた。
──試合開始後、間髪入れずの攻撃。作戦は見事に成功したのだ。
この得点でチームのモチベーションも上がったようだ。皆の表情が明るくなっている。
これなら、いけるかもしれない。誰しもの胸に、そんな希望が生まれていた。
聖堂山ボールで試合再開。
巧みなドリブルで雷門陣営に切り込んでくる。
「『ラウンドスパーク』！」
天馬が抜かれた。
聖堂山はその後も華麗な連携でディフェンスラインを突破。三国さんの前に躍り出る。
「『炎魔ガザード』！」
──化身！
そうだ、決勝戦まで勝ち上がってきたチームなのだ……化身を持っていないはずがない。
「『爆熱ストーム』！」
「『ハンターズネット』──ぐあっ！」
シュートは狩屋の技をいとも容易く破る。
「『フェンス・オブ・ガイア』！」
そして……三国さんの必殺技さえも。
1-2。一歩リードされてしまった。
しかし取り返せない差ではない。チームの皆も同じことを思っているようで、その顔から闘志が失われることはなかった。
試合再開。天馬が包囲網めがけて突き進む。
しかし、同じ作戦は二度は通用しなかった。
「『エアーバレット』！」
聖堂山は必殺技で確実を期し、ボールを奪う。
ゴール前に持ち込まれたピンチを救ったのは霧野だった。
「『ザ・ミスト』！」
ボールは錦から、前線の倉間、そして剣城へ。
すかさず聖堂山のディフェンス陣が立ちはだかるが──剣城は、囮だった。
視線で相手を引き付けておいて、ノールックでパス。その先にいたのは錦。
「『戦国武神ムサシ』──『武神連斬』！」
「『シュートブレイク』──ぐあっ！」
競り合いを制したのは錦だった。
2-2。これで試合は振り出しに戻った。ベンチ陣は思い思いに喜び、沸き立つ。
ここで前半終了のホイッスル。
一時も目が離せない、両者一歩も譲らない展開だった。会場の興奮も、頂点に近いところまで達している。
後半もこの調子で行けばきっと。私は希望を胸に、立ち上がった。
＊
「すごいじゃない天馬！」
「聖堂山相手に互角で戦ってる。大したもんだぜ」
場所は控え室。天馬はマネージャー陣の励ましを受けて頷くも、その顔は少し悩ましげだった。
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
