251 砂漠の太陽 ページ1
「十年に一人の天才……」
「そいつ、どいつ？」
狩屋の呟きに、音無先生は手で選手たちを示しながら答える。
「チームの得点王
挙げられた三人の選手は全員、隙のない目つきをしていた。きっと只者ではない。
「どんな選手がいようと、俺たちは精一杯戦うだけだ！」
神童の言葉に、皆の表情が引き締まる。
十年に一人だろうが百年に一人だろうが、私たちのやることは変わらない。戦って、決勝に駒を進めるのだ。
＊
今回の会場は『デザートスタジアム』。
その名の通り一面砂のフィールドだった。しかし見た目の割にはしっかりしているらしく、感触は土と変わらなかった。
もちろんこれだけで終わるはずがないので、気を引き締めて臨まねばならない。
ふと新雲学園側のベンチを見ると、一人の選手が遅れて合流してくるのが見えた。
橙色の髪に、色白のすっきりとした顔立ち。事前に見たデータベースに、あんな選手の顔はあっただろうか。
その選手を見て一歩踏み出したのは、天馬だった。
「太陽……新雲の選手だったのか！」
その瞳は驚愕に見開かれていた。
知り合い、だろうか。サッカーをやっていたら、友人と戦うようなことは無きにしも非ずだが……。
「音無先生、あの選手は？」
「雨宮太陽くん、一年。ここまでホーリーロードの出場はないわ。他に情報がないか調べてみるわね」
霧野の言葉を受け、音無先生は膝にのせていたノートパソコンのキーボードを叩き始める。
転入生か、もしくはあちら側の切り札ということだろうか。あえて選手を出場させないことによって情報の流出を防ぎ、ここぞという試合で出すという手段はたまに使われる。
いずれにせよ要注意かもしれない。新雲学園は全員の選手が、一分の隙もないと言われているから。
ドリンクやタオルの準備をしていると、葵と信助の会話が耳に入ってきた。
「残念だったね、信助。あんなに頑張ったのにキーパーじゃないなんて」
「当然だよ。僕まだまだだもん。キーパーとして覚えなきゃいけないこと沢山あるし」
屈伸をしながら、信助はそれでも落ち込んだ様子もなかった。
猛特訓と言ってもそれはここ数週間のこと。経験や場数の差は、どうしようもなかった。
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キメラ(プロフ) - うさまる。さん» コメントありがとうございます！ 更新に波があって、お待たせしてしまって申し訳ないです💦 ゆっくりペースの連載になりますがこれからも見守ってもらえるとありがたいです！ (2022年10月22日 10時) (
レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
うさまる。(プロフ) - 更新ありがとうございます！この作品大好きなのでとても嬉しいです！無理せず更新頑張ってください！ (2022年10月22日 9時) (レス) @page33 id: b10d69f65a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年9月10日 9時
