470 絶対に決める ページ13
「だめだ、敵が強すぎる……！」
「あんなのに勝てるわけが……」
太助たちの中に灯り始めていた闘志が、再び消え失せかけていた。
圧倒的な力、圧倒的な気迫。それに押し潰されそうになってしまっている。
「まだだ！ まだ諦めちゃいけない！ 点を取られたなら取り返すんだ──自分の力を信じて！」
天馬の激励に、私の心臓が大きく脈打った。
今のは……クロエ？ 天馬の言葉に反応したのだろうか。
自分を信じる──絶対にできるという自信を持つ。
胸に手を当てる。私の中に、稲妻のような衝撃が駆け巡った気がした。
「そうだ……まだ試合は終わってない！ 負けるもんか！」
「やられっぱなしは嫌だ！」
太助たちはそう意気込んだ。
その顔を見て、私は自分の中にはっきりとした決意が生まれたのを感じた。
試合再開直前、神童たちを集めて耳打ちする。
「太助たちが守備に成功したら……私にボールを回してほしい」
みんなは私のお願いに一瞬驚いたようだった。
実際は太助たちが一夜城でボールを奪った後のカウンター攻撃で、剣城がシュートを打つ作戦になっていた。攻撃役を私に変えることは、正直博打に近い。だけど、
「絶対に成功させる。みんなのプレーを無駄にはしない」
必ずやれる、やり遂げてみせるという思いがあった。
「──俺はAを信じる」
一番に頷いてくれたのは神童だった。
それに呼応するように、みんなの期待がこもった視線がこちらに向けられる。
「わかりました。お願いします、A先輩！」
「もしあかんかったとしても、わしらがカバーするぜよ！」
天馬と錦の力強い言葉に、私の胸にじんわりと温かいものが広がった。
「ありがとう」──そう言って頭を下げる。絶対に成功させる、そんな強い決意を秘めて。
試合再開。みんなの動きに、もう迷いはない。
「よし、作戦決行じゃ！」
相手にボールが渡ったタイミング。藤吉郎さんの指示で、私たちはあらかじめ打ち合わせていた通りに動いた。
敵から距離を取ったのだ。わざと誘い込むように。
「パスカットでも狙うおつもり？ 浅知恵ですわねえ」
嘲ったベータはレイザにパス。そして自陣から上がってきていたレイラへ。
相手のプレーは普通のものに戻っていた。ゴーストミキシマックスの持続時間はきっとそれほど長くないのだ。ベータ自身も化身をバンバン発動させて消耗しているせいか。
これなら──いける！
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キメラ(プロフ) - こーらふろーとさん» ありがとうございます！主人公の成長は力を入れて表現したところなのでそう言っていただけて嬉しいです！長い物語にはなりますがこれからも見ていただけたら嬉しいです😊 (2023年3月18日 12時) (
レス) id: 6fadaab96b (このIDを非表示/違反報告)
こーらふろーと(プロフ) - 初コメ失礼します！原作の良さを残しつつ、夢主の成長を描くこの作品に惹かれて、一気見してしまいました。これからも応援しています！ (2023年3月17日 12時) (レス) id: 636f6efcc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2023年1月21日 14時
