【イナクロ】君へ贈る旋律第十七楽章【神童拓人】 (ページ14)

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「何度も言っておるだろう、十一人が揃わねば本来の力の半分も出ん！確かにAが力を得たことによって数は揃ったが……それでも時空最強には、あと1ピースが足りておらん！」

「だ、だとしてもぜよ……」

「今の我々とエルドラドのチーム力はほぼ互角──手を組むのは得策と言えなくもない！」

「大介さんの言う通りだ。ここはエルドラドの提案を呑むのがいいだろう」

違う方向から声が飛んでくる。

そこにいたのが鬼道さんと豪炎寺さんだったので……私たちは今日何度目かの、驚愕の声をそろえた。

「えっ……二人とも、どうしてここに？！」

「私が呼んだのだ。二人とサカマキには、各チームの監督をしてもらう」

監督と聞いたワンダバは──凍り付いたかのように打ちひしがれていた。

ここまで来たらさすがに可哀想になってきた。ワンダバの指揮の下でプレーしてみたかった気もする。

「我々は、どうあっても勝利せねばならんのだ──人類の命運をかけた最終戦争、ラグナロクに！」

トウドウの力強い声が回廊に響く。

私の頭には家族の顔が浮かんだ。今も家で私とクロエの帰りを待ってくれているであろう家族の顔が……。

だけど、まだしばらくは帰れそうにない。

二百年後の未来で、人類の存亡を左右する戦いが始まろうとしている。

＊

そこから私たちは、本部内にあるサッカーフィールドに場所を移した。そこでラグナロクに向けてのチーム分けが発表されることとなった。

まずは豪炎寺さんのチームから。

キャプテン松風天馬MF

西園信助GK 霧野蘭丸DF 雨宮太陽FW

影山輝FW 浜野海士MF 速水鶴正MF

トーブDF レイ・ルクMF レイザMF メダムDF

続いてサカマキのチーム。

キャプテン神童拓人MF

アルファFW ベータFW ガンマFW

エイナムMF ルジクGK オルカMF ガリングDF

AADF 倉間典人FW 狩屋マサキDF 天城大地DF

私はこのチームだ。ポジションはDFになっている。

キャプテンが神童に指名された時、プロトコルオメガの面々は驚愕の表情を浮かべた。

特にアルファ、ベータ、ガンマ……この三人は、自分こそがキャプテンに選ばれる自信があったのだろう。というか精鋭の三人が同じチームにいるというのが、なんとなく解せなかった。

当の神童も戸惑っている様子だ。このチーム分けにはどんな意味があるのか。

サカマキの表情──監督になったのだから「さん」をつけるべきか──の表情から、それは読み取れなかった。