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Word.0070 制御 ページ20

「……つーわけでジューゴ、あの刃物みてえな腕のことだけどよ」


諸々がひと段落して、私の涙もようやく引っ込んだ頃。ウノがなんでもないことのようにそう切り出したので、私はびくりと身を震わせてしまった。

ジューゴにとってそれは今一番触れられたくないことなんじゃないかと思ったけど、当の本人はけろりとした顔で「ああ」と返事している。


「あれって制御できないもんなのか? 普通にめちゃくちゃ強い武器になるんじゃねえかって思ったんだけど」


ウノはあの腕に興味を持っているようだった。その『武器』が再び必要になる場面は、できたら来ないでほしいものだけれど。


「僕も思った! パーツ付け替えで性能上がるロボットみたい!」

「それとこれとはちょっと違うんじゃねえのか……?」


みんなの会話を聞きながら顎に手を当てていたジューゴは、胡坐をかいた姿勢のまま両腕を前に出した。


「んー、どうだろうな。やってみる」


そしてその枷たちが赤黒い光を帯びて変形した──と思ったら、瞬く間に刀身の長い刃になっていた。

おおっ、という歓声が房に響く。私は息を呑んでそれを見つめた。


「な、言った通りだろ?」

「ほんとだ! かっこいい! いいなあ〜」


ニコは言って、刃に触れている。後ろからロックとウノも興味深げに覗き込んでいた。

ジューゴがあっさりと力を制御してしまえたことに、私は驚いて立ち尽くす。私もこんな風に、自分の能力を自分の者にできたらいいのにな、と思った。


「あー……怖い、か? やっぱり」


ジューゴが小さな声で尋ねてくる。私は首を横に振って否定し、右の刃にそっと触れてみた。

温かくも冷たくもない。無機物のように見えてもこれはジューゴの身体の一部なのだろう。知識欲がゆっくりと首をもたげてきた。

材質は、重量は、負荷は? 付け根はどうなっているのだろう、痛覚はあるのだろうか。持続時間は?


「おおー! 15番君久しぶりじゃないか!」


その時通路の方から大声が乱入してきたので、私はびっくりして飛び上がる。

刃に見入るあまり、いつの間にかジューゴの方に身体を近づけすぎていたようだった。私は恥ずかしくなってそそくさと身を引く。


「どうだい身体の調子は? また私と一緒に日本の夜明けを見ようじゃないか!」


大和だった。相変わらず腹の底から力強い声を出している。日本の夜明けって一体なんなのだろう。

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キメラ(プロフ) - きえさん» コメントありがとうございます! その言葉が何よりの励みになります😭しばらくはゆっくりの更新になってしまうのですが、見守っていただければ嬉しいです! (3月28日 23時) (レス) id: 6fadaab96b (このIDを非表示/違反報告)
きえ(プロフ) - 話の設定が最高で続きが待ち遠しいです!!主人公がこれからどうなってくるのか考えるだけでワクワクしてます!!これからも頑張ってください! (3月28日 20時) (レス) @page37 id: 3e2dfb3761 (このIDを非表示/違反報告)
キメラ(プロフ) - よいよいの宵さんさん» コメントありがとうございます!展開楽しんでいただけるようでとても嬉しいです😭どうぞお付き合いいただけたらと思います🫶 (12月2日 21時) (レス) id: ac6bc7be2b (このIDを非表示/違反報告)
よいよいの宵さん(プロフ) - 久々にナンバカが見たくなり探したところ主様の作品を見つけました。とても面白く、夢主ちゃんの秘密が徐々に明かされていくのがとてもドキドキします。これからも頑張ってください! (12月2日 20時) (レス) id: ab89395776 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キメラ | 作成日時:2023年11月14日 21時

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