【イナクロ】君へ贈る旋律第十四楽章【神童拓人】 (ページ13)

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「だが、これまでの敵とはわけが違う。サカマキ･トグロウと呼ばれる有能な司令官に率いられた、全てにおいてパーフェクトなチームだ」

「僕もワンダバも、それ以上の詳しいことはわからない。ただ、彼らが出てきたとなれば……これからもっと厳しいことになるはずだ」

詳しい話を聞こうとアルノ博士の方に視線を向けたが、そこには案の定というか、もう誰もいなかった。

強い敵が立ちはだかるなら、私たちはそれを打ち砕けるほどの力をつけなければいけない。そのt年で言うと、やることは今までと同じ──特訓あるのみ、だ。

葵の手元から、大介さんが浮上してくる。

「話は聞いたぞ！手ごわい相手が来るのなら、こちらも本腰を入れねばならん。では早速、時空最強イレブン、次のターゲットを発表する！
　７の力──自由自在に空間を生かす、空を制する『フライングディフェンダー』！
　８の力──太古の力を宿し、その力は海をも割る『ダイナミックミッドフィールダー』！
　例えて言うならばズバリ、恐竜だ！」

最後の言葉に、「「恐竜？！」」というみんなの驚愕の声が重なる。

「恐竜って、あの恐竜のことですか？白亜紀にいたっていう……」

私は思わず念のために確認したが、「そうだ」と力強く頷き返されてしまったので何も言えなくなった。

時空最強イレブンは、人間じゃないこともあるのか。だからといって恐竜とは、すごい線を突いてきたものだ。

一同の中で唯一目を輝かせたのが、信助だった。

「恐竜とミキシマックス……かっこいい～！どんな恐竜なんですか？スピノサウルス？イグアノドン？プテラノドンもいいですよね！」

次々と恐竜の名前を挙げる信助を見て、水鳥が肩を竦めた。

「男ってほんと恐竜好きだよな」

「恐竜ですよ恐竜！凄いんですよ！」

「そうかあ？」と水鳥はピンと来ていない様子。信助は腰に手を当て、眉尻をちょっと吊り上げた。

「わかりました！恐竜がどれだけすごいか、僕が説明します！」

信助は軽く咳払いをしてから話し始める。

恐竜が誕生したのは、今から二億三千年前。彼らは様々な進化を遂げ、陸・海・空といったあらゆる場所で生息するようになり、一億六千万年ほどの間地球を支配していたとされている。

しかし白亜紀末期、六千五百万年前に忽然と姿を消した。原因は隕石の衝突であったり火山の爆発であったりと多くの説があるが、真相のほどはわからない。