唯一の2年A組は壊理の姉 (ページ12)

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『失礼します』

お辞儀をして職員室を後にした。

『(環くん達待ってるから急がなきゃ)』

帰りながら環くん達にもこの事話そうかなとワクワクした気持ちで考えていた。

玄関を通りかかった時、
楽しそうな話し声が聞こえた。

『(？この声、環くん？)』

こっそり覗いてみると環くんと環くんと同じクラスの女性が楽しそうに話していた。

『(…環くんって、女の人と話すんだ)』

いや、年頃の男の子だし当たり前でしょ
それにクラス一緒なんだし、話す事くらい……

わかってる。
そう、わかりきってる事なのに

『(…なんか、心臓痛い)』

心臓がズキズキと痛む
……これは、なんで？

いや、わかる。嫉妬してるんだ。

環くんは性格上女の子と滅多に話さない。
でも私とは中学の頃から話してくれる。

その頃は“Aと話すと落ち着くから”って言ってくれてた。

それが嬉しかった。

環くんの特別になれたみたいで嬉しかった

他の女の子と話さないで欲しい。
他の女の子の前で笑わないで欲しい。

そんなドロドロとした感情が溢れ出てきた

ダメだ、今、ここにいちゃいけない。

波｢あ！Aちゃん！！ねーねー！そこで何してるの？胸抑えて、痛いの？不思議！大丈夫？｣

ミ｢話は終わっんだね！早く一緒に帰るんだよね！｣

ねじれちゃん達がパタパタと元気に手を振ってこちらへ駆けてきてくれる。

『ね、じれちゃん…ミリオ……ごめん』

私はこの状態はダメだと判断して
その場から駆け出した。