離れろくださいませ、安室さん!!!!2

離れろください。45 ページ8

「おはようございます！」

朝起きて着替えをし、リビングに行こうと部屋の扉を開けると、奴は満面の笑みで立っていた。

一瞬動揺したが、悟られぬよう真顔を貫き、ポーカーフェイスを装った。

そして、何事もないように横をすり抜ける。

「いやぁ、すみません！昨日は動転しちゃってて……Aさん、今日もお美しいですね！！愛してます！！！」

「朝からお元気ですね…」

ダメだ、イマイチ素直になれない。

嬉しい気持ちはあるのだが、それに対して素直な返答ができない。

ああああもうなんで私こんなにひねくれた性格に育ったの！！？親の顔が見てみたいものだよ！！！

「ああ、そうだ！今日の放課後、ポアロに来ていただけませんか？昨日のおわびと言ってはなんですが、ポアロの新作ケーキの試食に来てください！！」

「え、あ……暇だったら行ってあげてもいいです。暇だったら。」

私は目を合わせずに言ったにも関わらず、彼は嬉しそうに「お待ちしてます！」と返した。

とりあえず、育てかたを間違えた親に腹パンをして(理不尽)から学校へと行った。

学校に着いてからも、Aは悶々としていた。

口に出すのがダメなら態度から伝えよう！

そう考えついたのは、家庭科の調理実習のある1時間前のことだった。

それから、調理実習で作った普通のカップケーキを安室さんにあげることにした。

まあ、たまには毒の入っていない、美味しいものをあげるのも悪くは無いだろう。

そう考え、彼がどんなにリアクションをするか密かに楽しみにして、放課後を迎えた。

そして、ポアロへと足を踏み出した。

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