離れろくださいませ、安室さん!!!!2

離れろください。49 ページ35

私は、安室さんの手を振りほどいた。

彼は傷ついたような顔を浮かべて、手を引っ込めようとした。

私はその腕を掴み、そのままの勢いで飛びついてやった。

ぎゅぅうううっというような効果音がつきそうなほど強く抱き締めてやる。

「付きまとわれるのは迷惑ですが、勝手に離れられるのはもっと迷惑です。」

ちっとも優しくない言い方。

でも、それが私から言える、一番しっくりくる言葉だった。

「……」

あれ、何も言葉が返ってこないぞ？？？

不思議に思って上を見上げると、そこにはボロボロと大粒の涙をこぼす降谷零がいた。

「……ぁ」

彼はハッとしたように目を見開くと、慌てて服の袖で涙を拭った。

「………泣かれるとは思わなんだ…」

「いや、あの……Aさんには振られると思ってて……手を離されるのを覚悟してたんだ……そしたら、こんな……っ！」

「嬉しい！！」と身体全体で表すようにギュッと抱きしめられた、うげ、背骨折れる。

「Aさん！Aさん！大好きです！！」

「はいはい。」

なんだか尻尾も見えてきたなぁ……ブンブンふってら……。

「うぅうう〜〜〜！！！結婚してくれぇええ！！！」

「はいはい。卒業してから考えてあげますよ。」

「えっ、今日のAさん優しい！！怖い！！でも好き！！」

「知ってる。」

「うわぁ〜〜恋人になってくれませんか？？」

「…………いーですよ。」

「えっっっっ！？」

顔が熱い。

そんな私を見つめる視線も熱いし、彼の顔は真っ赤だ。

結局のところ、私は負けてしまったのだ、このどうしようも無いゴリラに。

「Aさん！愛してます！！」

「……そりゃどーも。」

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