離れろくださいませ、安室さん!!!!2

離れろください。47 ページ33

月日が流れるのは早いもので、デート(仮)の日…。

安室さんが「10時くらいに車で迎えに行くので待っていてください！」と言うので、今は車待ちだ。

「おまたせしました！」

「あー、ありがとございます」

「いえいえ。あ、ちゃんとシートベルトしてくださいね！」

こうして紳士的にエスコートしている姿はまさにイケメンだし、普通にかっこいいと思う。

けど、目に余る変態行為がたまにキズなんだよなぁ…

「さて！展覧会に行きましょうか！

あ、その後なんですけどね、カフェにも行くんですけど、その後付き合ってもらいたい場所があるんです！

大丈夫ですか？」

「まあ、展覧会に連れて行ってくれるお礼ということなら…」

「本当ですか！？やった！」

子供のようにはしゃぐ彼は、本当に29歳なのかと疑ってしまうくらいには幼く見えた。

まって、大丈夫？免許証の提示とか求められない？？？

まあ、そんなことはなく、何事もなく展覧会を見て、素晴らしい世界にどっぷり浸かった後、カフェへと向かった。

「うわ、美味そう…」

「Aさんが好きそうだなぁってずっと思ってたんです。」

カフェではふわっふわのパンケーキとホットチョコレートを奢ってもらった。

めちゃくちゃ美味かった。センスいいなゴリラ。

「どうでした？」

「美味しかったです。好きな感じでした、また来たいな…」

「ふふっ、そう言って貰えて嬉しいです。また来ましょうね、2人で。」

2人で、の部分を強調しながら、前触れもなく手を握られた。恋人繋ぎというやつだ。まじか。

ジロリと睨みつけるが、彼があんまりにも嬉しそうな、ニコニコとした顔でいるから強く言えず、黙って手を繋いだままにした。

なんだか、意識してるこっちのほうが恥ずかしいような気がした。

まあ、今日は肌寒い日だし、手袋もないし、ホッカイロ代わりに……だとかなんとか理由をつけてみる。

それでも意識してしまう自分に「馬鹿野郎…」と怒鳴りつけたくなってしまう。

「あ、ここです！」

手を引かれてたどり着いたのは、カフェからそう遠くない場所にある、湖のある公園だった。

「ここの湖、鯉に餌やりができるんです！

しかも、ハート型の模様のある鯉がいて、それを見つけられたカップルは、一生幸せになれるっていうジンクスがあるんですって。」

「へぇ……安室さんがジンクスなんてものを信じてるなんて以外ですね。」

「………」

ふと隣をみると、真剣な顔をした彼がじっとこちらを見ていた。

離れろください。48→←離れろください。46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す