離れろくださいませ、安室さん!!!!2

離れろください。47 ページ11

あれから、蘭ちゃんと園子ちゃんと友達となり、根掘り葉掘り色んなことを聞かれた。

安室さんとの関係だとか、家の事だとか、ヒビキさんカッコイイねだとか……それはもう色々と。

特に安室さん関連の話は長かった……いやぁ、イマドキのJKはすごいね！(同い年)

なんやかんやで安室さんを放置してしまい、最終的には遅くなってしまったので、送っていってくれる……じゃなくて、一緒に帰ろうとのことだった。

「園子さんや蘭さんとのおしゃべりは楽しかったですか？」

「楽しいっちゃあ楽しかったですけど……疲れましたね……」

私が苦笑いでそう返すと、彼は「そうですか」と短く返してきた。

そして沈黙が訪れる。

……おかしいな。

いつもだったら執拗いくらいに話しかけて来るくせに、こういう気まずい時に限って話しかけてきやがらない。

全く使えないな…←

理不尽な苛立ちから睨みを効かせて運転席を見ると、そこには────

「あ。」

砂糖やら蜂蜜やら、甘いものをごった煮にして、グツグツ煮込んだようにドロッドロの甘ったるい瞳の男が、こちらを見つめていた。

「ふふっ、目、合いましたね」

やたらと甘ったるい声でそう言うソイツに、反論する言葉すら出てこなくなる。

どうしていいか分からずに目を逸らすと、「逸らされちゃいましたか……残念」と声が降ってきた。

え、何あの瞳？？

胃もたれしそうなくらいに甘ったるかったよ？？

あ、もしかしてこの前飲ませたガムシロップが目から出てきたの？？？←

なるほど！！！！！！(違う)

そういえば、ちゃんと目を見て話すの、あんまり無かったなぁ……

あんな目をして私のことを見てたのかな……

先程の瞳を思い出し、頬が熱くなる感覚を感じたので、全力で両頬を自らぶん殴った。

「ちょ、Aさん！？何やってるんですか！！ほっぺ真っ赤！！！」

「いや、ちょっと小煩悩が……これは滝行にでも行かねば……」

「待ってください、Aさんの考え方がどこぞの僧侶ですよ！？今の時期滝行なんてしたら風邪引きますから！！辞めてくださいね！！」

運転そっちのけで慌てて制止する安室が可笑しくて、笑顔になりそうになったのでまたぶん殴った。

気づかれてたまるかってばよ！！！

家に帰ってから安室さんに両頬に冷〇ピタを半分に切って貼ってもらった。

いやぁ、我が力ながら痛いね！！！

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