佰弐拾壱ノ型：愛情ノ裏返シ ページ25
＊side：貴女
日向に諭されて、仕方なく嫌々渋々応じた。
懐かしい敷居を跨いで畳に正座した。
産屋敷耀哉：
「菜愛。日向。来てくれてありがとう」
貴女：
『手短にお願いします』
橘日向：
「菜愛ちゃん！」
貴女：
『日向。これはボクらの問題だよ』
だから口を出さないで、と微笑んだ。
日向は少し傷ついたように笑い返してくれた。
産屋敷耀哉：
「単刀直入にいう。＿＿＿申し訳なかった」
お館様はボクらに土下座した。
それに習い、後ろに控えていた柱と炭治郎たちも。
産屋敷耀哉：
「君の苦しみに気づいてあげられなかった。
私たちが苦しめていたんだね。本当にごめんね」
貴女：
『謝罪が欲しいわけじゃありません』
産屋敷耀哉：
「うん。分かっているよ。
菜愛。君が望むならここに帰ってこなくてもいい』
貴女：
『じゃあお望み通り帰ってきません』
産屋敷耀哉：
「ただ。ただね、いつでも帰っておいで。
苦しめていたとしても私たちは菜愛を愛してるよ」
この瞬間、馬鹿な、人間だと思った。＿＿＿自分自身を。
愛をくれたのは武道と日向だけじゃなかった。
貴女：
『そうですか。覚えては起きます』
酷い反抗期だ、なんて思った。
苦しめられたのは事実。苦しめたことも事実。
それが愛情や信用信頼の裏返しだったことも事実。
ボクなら"大丈夫"というある意味の信頼。
貴女：
『それじゃ失礼します。日向、帰ろう』
橘日向：
「え、あ、うん！お邪魔しました！」
裏側を見なかった自分は、大層馬鹿だった。
炭治郎。お前の言う通りボクは独り善がりのサイコパスだ。
傷つけられたと同時に、ボクも傷つけていた。
貴女：
『日向、駅前のパンケーキ食べに行かない？』
橘日向：
「今から？」
貴女：
『クレープでもいいよ。佐野ちゃんも呼ぼう』
橘日向：
「うん！」
これほど、素晴らしいすれ違いもあるまい。
そう思いながら自傷気味に笑った。
貴女：
『日向。お前の言う通りにして良かったよ』
橘日向：
「えへへ！じゃあ仲直りちゃんとするんだよ？」
貴女：
『ごめん、仲直りは出来ない』
時間が無い、死ぬことを知られたくない。
大切だと、思い出してしまったから。
都合が良くてもまた、ボクのエゴで守りたいんだ。
貴女：
『日向。ボクさ、武道が好きだったんだ』
武道のことを男として好いていた、愛していた。
けれども今は四六時中、瞼の裏にいる人がいる。
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月17日 20時) (
レス) @page47 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
東リベヲタク - この作品めっちゃ大好きです！次の話がまた読みたくなりますね！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年8月25日 10時) (レス) @page47 id: 84a734ba36 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - 尊い、最高です！！更新頑張って下さい！！応援してます！！待ってます！！ (2022年4月20日 16時) (レス) @page47 id: fd89dcea24 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - 更新待ってました！！今回もとても最高です！！更新頑張って下さい！！応援してます！！ (2022年4月18日 16時) (レス) id: fd89dcea24 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅魍魎 - 最高です！！大好きです！！更新頑張って下さい！！応援してます！！ (2022年4月15日 8時) (レス) @page42 id: fd89dcea24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モスコミュール | 作成日時：2022年3月15日 10時
