× ページ20
人間サマ、と言ったが、それが私たち人間を小馬鹿にしたような「様」の付け方だと言うことは瞬時に理解出来た。他人をからかうような、小馬鹿にするような態度を取るのが彼は好きなのだから所詮はそんな扱いだ。
「きっと、吸血鬼って自分中心だから分からないんじゃないですか?」
「はぁ?人間の癖に偉そうに」
「違います!じゃあ、もしも志麻さんが番にしたい相手が居たらどうします?」
「まず血を吸ってそれから襲って無理矢理番にする」
「血を吸うことに相手の同意は?」
「は?そんなん面倒臭いアホなことするか」
「わー!それですそれそれ!!」
大声でそれだ!と叫ぶ私に迷惑そうに眉根を顰められた。
私の事が知りたいと、人間のことについて知りもしない吸血鬼が言うのだから呆れた。まるで産まれたての赤ちゃんに3日で歩けるようにしてやりたい、と言ってるようなものなのだ。
だかこそ、こうして、私がまず吸血鬼と人間の物事の捉え方の違いを教えようとしてるのに馬鹿なのか、と呆れている。呆れたいのはこっちだたわけ。
「まず、人間は番…そうですね、人間の間では恋人と言います。恋人にしたい相手が居たら、相手の気持ちを考えて行動します。じっくりじっくり時間をかけて相手のことを知り、相手の喜ぶものや相手の楽しむことを考えます」
「は?だっる無理矢理でええやん」
「人間はそれをしたら捕まりますし、そもそも論外です」
「お前言うこと図太いねんな」
「相手を喜ばせて、相手の気持ちがこちらに向いたら、こちらから恋人になって欲しい、とお願いをして恋人になります。なれない場合はまた別の相手を探すか、もう一度やり直します」
「は?別の相手探すん?」
「そういうケースもあります」
「クソ最低やん。なんで別の番探すん?番は永遠に一人だけやから無理矢理にでも番にするんやん」
「え、そこから違う……?」
どうやら、吸血鬼と言うものは恋人と別れると言う概念すら無いらしい。これは人間だとしたら素晴らしいことだろが、出会いがあり、別れがあるからこそ人間は成長するものなのだ。
きっと、実力主義、自分中心の吸血鬼にとって成長、と言うものは己の力のみの成長を求めて居るのだろうか。
もう根本的は所から全てが違う。
「私たち人間も、一人の人だけを愛しますけど、何よりもそれならば無理矢理は絶対にダメです。それじゃあ愛がない」
「愛、ねぇ」
やけに含みのある言い方だった。
。。。。。。。。
コメント、返せてませんでしたがこれから返して行きます!すみません!
1327人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年6月8日 18時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 皇咲鈴音さん» びっくりしました誰かと思いました笑 みかんさんありがとうございます!本当嬉しいです大好きです(;;) (2020年10月28日 23時) (レス) id: 9beb0497a0 (このIDを非表示/違反報告)
皇咲鈴音(プロフ) - すごい名前になってますがTwitterのみかんです( めっちゃめっちゃ内容好きです!! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 72e21fad30 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - 物語の構成が好みすぎました!!更新おまちしております!!! (2020年3月27日 16時) (レス) id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - nanaseさん» そのように言って頂き嬉しいです…!コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2020年3月8日 6時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鎖座波 | 作者ホームページ:もう既に血が足りない
作成日時:2019年10月19日 15時