相合傘 ページ38
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樹「 …はーちゃん?何してるの? 」
A「 藤原、くん、こそ…何してるの? 」
樹「 俺は、ちょっと用事があってね。 」
私の大好きな彼の声。
久しぶりに聞いても変わっていない。
私は目を見ることが出来ず、動揺が隠しきれていなかった。
そんな私を気にとめずに、傘を開き横を過ぎ去っていく。
すると、くるっと振り返り私を見つめる。
その視線から目を離せずに、真っ直ぐな瞳が私を捕える。
樹「 傘、ないの? 」
A「 は、はい… 」
樹「 ……入ってく? 」
A「 えっ? 」
意外な言葉に、拍子抜けした返事をしてしまう。
そんな私を見て、「 あ、嫌ならいいんだよ。 」とそう付け加える。
嫌な、わけないじゃん。
しかし、頭の中にでてきた長谷川くんの笑顔。
裏切ることなんて、…そんなことできない。
A「 だ、いじょうぶです。 」
樹「 でも、雨やまないよ? 」
A「 走れば…! 」
樹「 どうせ一緒の場所に帰るんじゃん。 」
A「 っ!、いや、そういうわけには… 」
一緒の場所に帰るんじゃん、その言葉にドキッと心臓が大きく飛び跳ねる。
誤解させるようなこと、言わないでよ。
藤原くん、リサさんのところに行くんじゃないの?
溢れる感情が多すぎて、なにを言えばいいのかわからなくなってしまう。
すると、藤原くんは大きな溜め息をつき
私の手を引っ張り、歩き出す。
A「 藤原くんっ、?! 」
樹「 慎になんか言われたら、俺が無理やりやったって言って。 」
私の手を持ち、もう片方の手で傘をさす。
そんなこと言われたって、言えるわけないじゃん。
静かな住宅街、雨が降る音しか聞こえない中
私は藤原くんとふたりで傘をさして歩いた。
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杜若(プロフ) - れもんさんのアソビゴコロという作品に似てますがこの作品はこの作品で楽しませていただいてます! (2019年9月17日 6時) (レス) id: 2722c7dbb0 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ほんとにありがとうございます!!来夢さんのペースで待ってます!!ほんとにありがとうございます!! (2019年8月14日 23時) (レス) id: 9ac46dce77 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - りんさん» 了解しました!ぼちぼち落ち着いたら書かせてもらいますね(><) (2019年8月14日 23時) (レス) id: 5e5a40dc2a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメントレスありがとうございます!!わー!考えて貰えて嬉しいです!私Twitterやってないのでこっちで書いて貰えると嬉しいです!ほんとわがままですみませんっ!次もほんとに楽しみにしてます!! (2019年8月14日 23時) (レス) id: 9ac46dce77 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - りんさん» ありがとうございます(><)わわわ、ぜひ書かせてくださいッ!Twitterにでもひっそり書きたいと思いますね!次回作でもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月14日 23時) (レス) id: 5e5a40dc2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幸 | 作成日時:2019年4月27日 18時