悪者の仮面。【鬼滅の刃】 (ページ6)

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竈門炭治朗ページ6

炭｢...っ！...あのっ!!｣

『......何。』

また、罵倒かな？
...いや、違う、か。

この子はそういうことをする子じゃないしネ。

...多分、だケド。

炭｢稽古っ！つけてください!!｣

『...は？』

炭｢だから！稽古！つけてください!!｣

『イヤ、聞こえてるカラ。いきなりすぎダシなんで僕？』

そういう匂いがしたからです!!と自信満々に言ってのける目の前の相手。

何、匂いって。

『はぁ...ソウデスカ...強い匂いってなん「炭治朗おおおおお!!!!」』

『...。......ヒトの話を遮ってんじゃネェヨ...』

炭｢!?｣

オット、本音が出た。でも仕方ないヨネコレは。

こめかみに青筋が浮かぶのが自分でも分かる。

「たんじろおおおおおあの人睨んでくるよおおおおお」

『ヒトの話を遮ったんだカラ、当たり前。で、何？キミも稽古？』

嗚呼面倒。早く、一刻も早く一人にして欲しい。

もう......

放っておいてよ!!!!!!

その時、僕の中の“なにか”が崩れた気がした。

目頭が熱い。なんだろうこれ？

善｢ええええええええ...炭治朗お前何したのぉ...この子泣いてるじゃん...｣

『...、あぁ...僕、泣いてるんだ.........あれ？なんで止まんないんだろ...』

笑い声が聞こえる。無邪気な子供の笑い声。
まだ小さい輝哉と、もう一人。

幸せそうな、幼いころの僕。

もう一度あの頃に戻りたい、なんて叶いもしないことを願ってみる。

突然、辺り一面が闇に包まれる。

“あの日”の僕が、目の前に現れた。

両親を失った、あの日の僕。

－今の僕と、同じ目をした、僕。

《－ねぇ、未来の僕。一回、全てを諦めてさ。
それでも希望を掴んで。

もう一度、全てを諦めた気分ってどんな感じ？》

－うるさいな－

❬わかんないし、どうでもいいヨ。❭

夢現な意識の中で、そう言った瞬間、

－“僕”は跡形もなく消え失せ、僕の意識も暗転した－