柱稽古 水柱の場合2 ページ45
「私、監視して回っているわけじゃないけどね。」
「手合わせに来た宇髄に聞いた。」
「宇髄、もう此処もきてたんだ。」
「稽古をしたいのだろう、あれに参加するといい。」
「えっ、参加していいの?」
「義勇!馬鹿言うな!」
隊士の相手をしながら此方の話を聞いていたらしい。
錆兎が大声でやめろコールを飛ばしてきた。
「なぜだ?」
「Aを相手しながら他の隊士の稽古なんてできる訳ないだろう!」
「大丈夫、錆兎ならできる」
「お前は!毎回!俺に夢を見過ぎだ!!!」
義勇がお萩を口に含んだのを見て、錆兎は隊士達へ向き直った。義勇は相変わらず食べながら喋ることができない。
「終わったらでいいよ、後で手合わせしよう。」
義勇はこくこくと首を動かした。
思えば兄弟子二人と手合わせするなんて随分久々かもしれない。
「あっ、そうだ。」
「?」
Aは持っていた風呂敷から器を取り出し蓋を開ける。義勇も何だ何だと覗き込んだ。
器には鮭大根が詰まっていた。
まだ出来て間も無い鮭大根はほかほかと湯気をたてている。
義勇が目を輝かせてバッと勢いよく顔を向けてきた。稀に見る嬉しい時の顔だ。
「蜜璃ちゃんに教えて貰って作ったんだ、喜んでもらえるかなって」
「Aの手作りか」
「そうだよ」
「早く食べよう」
箸を渡すと義勇はすぐに鮭大根へ手を伸ばす。
……………が、その手が鮭大根へ届く前に錆兎に手首を掴まれ止められてしまった。
え?柱稽古は?
と思い錆兎の背後へ目を遣ると少し目を離した隙に、隊士は皆気絶しているのかその辺に転がっていて、ピクリとも動かなかった
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kokona(プロフ) - クソデカ胸中ボイス大好きすぎますwww (2023年3月29日 0時) (レス) @page48 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちゃん | 作成日時:2021年2月1日 16時