【鬼滅の刃】紫陽花は輪廻を駆け巡る参 (ページ32)

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柱稽古　音柱の場合3 ページ32

　
｢私もね、宇髄から稽古を受けたいの。｣
｢……つってもなぁ、つける稽古が…………あ。｣
｢なになに？｣
｢俺様がその素晴らしく派手な顔を生かす稽古をつけてやらぁ。今後、鬼がいなくなっても使える処世術(テクニック)ってやつだ。｣
｢処世術(テクニック)？｣
｢いいからこっちこい。
……おいお前ら！！いつまで地面と仲良くしたんだ！さっさと走り込みの続きしてこい！｣

へばって寝転んでいる隊士達に宇髄が一喝飛ばすと、死にかけの隊士はすぐに走り込みに行った。

｢こっち向け。んで、ちょっと俯いて……ちょっとだ、そう、そのくらい。目線だけこっち向けて……右側に少し首を傾げろ、手はこんな感じで………よし、いいじゃねえか！｣
｢え、なに？何してるの？｣
｢その角度覚えとけよ。｣
｢わ、わかった｣
｢おーい！お前ら、ちょっと休憩！！｣

宇髄が隊士達を呼ぶ。
休憩という言葉に、隊士達は土砂りとその場へ崩れ落ちた。ぜーぜー、はーはーと荒い息が合唱している。

｢よし、A。さっきのやつやりながら、もう少し頑張れ♡ってその辺のヤツらに言ってこい。｣
｢な、何その声…………｣

Aは宇髄の顔を訝しげに見ながら、隊士の方へ近づいた。隊士達からしたら、え？休憩じゃないの？なんで奇柱様こっちくるの？と混乱である。

｢………みんな、｣

Aの声にその場にいる隊士はぴくりと反応し、立ち上がる。奇柱様は、鈴をころころと転がしたような、とても可愛い声をしていた。

｢あと、えっと………も、もう少し、頑張れ？｣

先程宇髄に仕込まれた上目遣いという処世術と、羞恥心から自前で出来てしまった恥じらいでなんかこう、とても可愛い。奇柱様は隊士の中でも小さい方である故に、もじもじしてるその様は守ってあげたい感がびしばしでている。
いやこの中だと誰よりも強いけど。

その場に居た隊士達に一人残さずクリーンヒットし、隊士は皆揃って行ってきまあああああああす！！！と走り込みを再開した。仕込んだ宇髄も思わず｢わぁ。｣と声を出してしまっていた。