百七 ページ28
刀鍛冶の里での戦いは、毒や怪我で重傷者はいれど、四肢を失った者や復帰できないほど怪我した者はおらず、大金星を納めていた。
更に、Aを覗いて誰一人痣は出なかった。
蜜璃が早々に離脱し、伊黒と義勇の柱二人で足止めをできたのが功を奏したのだ。
そして、禰豆子が太陽を克服した。
それが原因か否か、鬼の出現がピタリと止んだ。
上弦の肆、伍を斃した事もあり、本日は柱合会議が開かれる。Aはその前に二人きりで話そうと御館様に呼ばれていたので、皆より早く産屋敷邸へ来ていた。
「A、最期の話をしよう。」
「っ…そ、そんな言い方はやめてください…!!!」
嗚呼神様、頼むからまだ連れていかないで。
御館様は、ひゅー、ひゅーと荒々しい呼吸で布団へ横たわっている。
「もう私はこの先長くはないよ。でもねA、君が…
私は皆の親として、最期の仕上げをしなければならないんだよ。知っていることを、教えてくれるね?」
「…はい。
御館様は、あまね様と御息女お二人とこの御屋敷にて御自身で爆死なされます。」
「うん、私の予定通りだね。………A、そんな顔しないで。」
「え…?」
「目は見えなくとも、Aがどのような顔しているかはわかるよ。いいかい、A。私の命は尽きようとも、鬼舞辻無惨を斃すまでは
「御館様………。」
「さあ、続きを話しておくれ。」
Aの眸には雫が張っていた。
一つ瞬きをするだけで、溢れてしまいそうだった。
少し嘔吐いて、溢れないよう飲み込む。
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kokona(プロフ) - クソデカ胸中ボイス大好きすぎますwww (2023年3月29日 0時) (レス) @page48 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あちゃん | 作成日時:2021年2月1日 16時