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百三 ページ24

 
 
「____風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ」



強風が吹き荒れる。
地面が螺旋状に抉られていき、迫り来ていた金魚とAが閉じ込められていた水壺まで到達した。

自身を閉じ込めていた水壺は、耳を劈く様な激しい音を立て破裂する。

勢いよく投げ出されたAは、酸素を求めて肺を上下させた。ゲホゲホと数回咳き込み、足りてない空気をめいいっぱい取り込む。


「情けねェなァ!!!奇柱様がよォ!!!!」

目の前の白髪の人物は、どう見ても堅気でない顔にビキビキと青筋を立て口端を吊り上げている。
助けに来たのは、鬼よりも鬼の形相の不死川だった。
最早悪役なのではないか、こいつ。
とはいえ助けてくれた事は事実なので、素直に礼を言い、助太刀の風柱は又も構えた。



Aが御館様へ頼んでいた一つ目は刀鍛冶の里の鍛冶や住民の避難。
そして、二つ目は柱の救援である。
兎に角確実に、絶対的に勝利へ結びつける為にどうするか二月必死に考え、出した答えは単純に戦力強化であった。

戦力が足りず死者が出るなら戦力を増やしてしまえ。
柱が足りないなら来させればいい。
そもそも上弦の鬼は一体で柱三人分と言われているのだ。それを己も蜜璃も一騎討ちで斃すなど無理がある。
炭治郎と玄弥が居ても、戦力としては誤差の範疇だ。

第一、上弦の討伐と担当地区の見回りだったら此方が優先に決まっている。
此方へ向かう柱の任務と警護は甲へ全投げだ。
かといって、刀鍛冶の里は秘匿されている。最初から此処へ柱の警備をつけるのは難しい。
なので結局のところ最初は五人で頑張らねばならなかったのだが。危うく死にかけたが、四肢がなくなったりしていないだけ良しとしよう。


Aは上弦の肆とかち合いすぐに鴉を飛ばしていた。周辺にいる柱は全員来る手筈である。
御館様の采配で、刀鍛冶の里の周辺任務はほぼ柱へ回されている。なので、柱は少なくても二人は来れる手筈なのだ。

確実に蜜璃を生かす。
そして、ここで必ず上弦を斃す。


「テメェは援護しろォ!!!」

不死川はそう言うやいなや、鬼の方へ駆け出した。
一方玉壺も見ているだけの筈もなく、壺と壺を素早く移動する。Aは行先の壺を斬り捨てていくがどうもあちらの方が速く、次から次へと壺が湧く。

斬っても斬っても手応えのない感触に、Aは顔を歪め不死川は舌打ちを飛ばす。

百四→←百二



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 錆兎   
作品ジャンル:アニメ
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kokona(プロフ) - クソデカ胸中ボイス大好きすぎますwww (2023年3月29日 0時) (レス) @page48 id: d3088186d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あちゃん | 作成日時:2021年2月1日 16時

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