第42話 ページ46
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どうしてこんな事言ってるのか自分でも分からない。
完全に意味不明だ。
勝手に行けばいい。
「…貴方は行かない人だと思ってました。」
冷たい言い方しなくてもいいのに。
『…………行きませんよ。』
『実は、あの場ではそう言った方が穏便に済むと思っただけなんです笑』
「……そうですか。」
彼女は、僕達4人の事で忙しくあればいい。
それがマネージャーさんにはお似合いだ。
「定期会議はいつしますか?」
「それと、お酒の飲む企画は通ってますか?」
「あんなに僕に言ったんですし、僕楽しみにしてるんですよ。」
「…………責任取ってくださいね。」
責任、という言葉はきっと重いんだろうな、
と思いながら言葉にした。
僕たちと同じぐらい忙しい彼女を困らせてしまっただろうか?
『…絶対しますよ、待っててくださいね。』
僕は、彼女から目を逸らした。
「約束です。」
なんだか僕の気持ち全部見透かされてる気がして、
逸らした。
なんなんだ、ほんとに、勘弁してくれ。
『剣持さん、そろそろ戻りましょう。』
「はい。」
隣で歩く彼女は立派になったと思う。
最初は、鈍くてどんくさくて、マネージャーに向いているのか?と考えてしまっていた。
今は全くそんな事考えられないほど成長している。
『剣持さん、私どうですか?』
「………なんですか、その質問。」
『なんとなくです笑』
褒める言葉を言い慣れていない剣持は、
何も言えないまま歩いてる。
彼女は、どうしようもなくお人好しで、自分のことなんかそっちのけで、不器用な人である。
そんな彼女をどう表し、気持ちを伝えればいいのか、
分からない。
今まで言葉のレパートリーに困ったことなんか無かったのに。
「……嫌いじゃないです。」
嫌いだった訳じゃない。
けど、今の僕にはそう言うしかなかった。
チラリと見ると、戸惑った顔をしていた。
『あ、ぇ、…』
「なんですか?」
『、私の仕事ぶりを聞いたつもりだったんですが…。』
「聞かなかったことにして下さい。」
『…でも、でも!嬉しいです!』
「ニヤニヤし過ぎですよ。」
『嬉しいんです!とても!』
本当に嬉しそうに笑っている。
僕のたった一言だけでこんなに嬉しそうにしている。
僕もそんな彼女に釣られて笑ってしまった。
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エス兎(プロフ) - 蜜柑缶詰さん» 遅すぎる返信お許しください。優しいコメント本当にありがとうございます。神作品だなんて言ってくださって本当に嬉しいです。頑張ります🙇 (5月18日 0時) (レス) @page50 id: 8b412c03e0 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑缶詰 - 初コメです!急すぎますが、本当に好きです!!無理のないように更新頑張ってください!応援してます!!!こんな神作品を書いてくださってありがとうございます!!! (2023年4月3日 20時) (レス) id: 45c5ef30c9 (このIDを非表示/違反報告)
エス兎(プロフ) - 或さん» コメント有難うございます✨神作品と言って頂き本当に本当に嬉しいです🙇😭これからも頑張ります…!有難うございます! (2023年2月21日 23時) (レス) id: 8b412c03e0 (このIDを非表示/違反報告)
或 - 控えめに言って神作品です。 (2023年2月21日 22時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
エス兎(プロフ) - ここさん» ここさん😭♡コメント有難うございます🙇嬉しいことばかり言って下さり本当に有難うございます…🥹✨頑張ります♡ (2023年2月4日 22時) (レス) id: 8b412c03e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エス兎 | 作成日時:2023年1月8日 23時