19 jm side ページ19
jm「ダヒやー、」
「うん？」
隣にいる君の姿を見てふと思う。
ずっと一緒にいれたらいいのにって。
いつまでもダヒは僕に甘えてこない。
距離は縮まってるのに。
執着するフリも見せないから、僕はこの想いを伝えられずにいる。
ー
僕たちはダヒが思ってる前よりもずっと前から、出会ってたって知ってる？
大学に入る前に、塾で一緒だったんだ。
人数が多かったから違うクラスだったし、話すこともなかった。
でも、いつも自習室にいて僕と二人で遅くまで残ってた。
塾が閉まる時間になると、絶対に電気を消して鍵を渡しに言ってくれる。
毎日繰り返してたから、気になることは当たり前だったと思う。
名札でカン・ダヒっていうことを知って、自分の中で、いい人だって勝手に思ってたんだ。
大学に合格して、塾にも必然的に行かなくなって、会うこともなくなった。
結局、話さなかったし目も合わなかった。
ーー大学の授業で、君を見たときはすぐにわかった。
カン・ダヒがいる。また後ろ姿を見てる。
驚いてぼーっと後ろ姿を見てると、ペアを組むことになった。
ため息をついて視線を下げている君を見て、少し悩んだ。
覚えてないだろうな、同じ塾だったこと。
『あのかわいい子、ペアいないっぽい？カン・ダヒだよね。俺話しかけようかな。』
何、後ろのやつ。
下心ありすぎでしょ。
ありえないんだけど。
jm「ね、ペアいない？」
近づいて、肩をつつくと振り返った君は目を見開いてた。
「うん…、なってくれるの？」
思ったより落ち着いた声だった。
jm「そう。いい？」
「あ、ありがとう。」
実は少し不安だったけど、ダヒはいい人だってわかってたから。
‘ナ・ジェミン’
？
回ってきた名簿のダヒの横に書かれた自分の名前を不思議に思う。
jm「名前、知ってたんだ？」
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作者名：Sabi Wabi | 作成日時：2021年11月6日 14時
