冬の向日葵 《緑》

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「…小瀧〜、居るか〜？」









教室のドアを開ける音が聞こえたかと思えば、




女子が少し賑わい始めた









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「あれ！シゲやん！」


「お前先輩に向かってなんやねんっ！」


「見た目的に俺の方が先輩やろっ！

えっ何々？なんか久しぶりやんっ！」


「お前が部活来ないからやっ！

なぁ〜頼むって、今日からは来てくれへん？」









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え〜、っとわかりやすく声に出して嫌がる望







それを見て笑えば、その先輩は私を見て、


少し、びっくりした顔をした









何だろう、と思っても、


先輩は何事もなかったかのように再び話を始めた







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「もうすぐ大事な試合やねん。

小瀧は上手いから試合だけでも良くても、俺らいきなりお前が入っても、ついて行かれへんねん」


「ンー、わかった、気が向いたら」









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ハッハッハッと大きな口を開けて笑う先輩





優しい人なんだなと思った









望に後ろから抱きつき、足も腕も彼の体をホールドして、





「絶対来いよ〜っ！」って叫んでた





先輩とは思えない無邪気さと明るさに、





魅力的だなぁと









「わーかったから！重い！」


「おっ！言ったな！言ったからな！

しゃっ今日部活でっ！！」









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そう言って教室を出ていった





ちらっと私を見て、さっきまでの笑顔とは打って変わり、




少し真剣な顔で、教室を出て行った









「…変わった人だね」


「オモロイで、他の人からしたら弟みたいな、赤子感ある奴なんやけど、

俺には少し兄貴っぽいねん」


「うーん、なんとなくわかる」









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望はサッカー部





エースなのに練習に来ない



一言でいえば“問題児”









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「なぁ、試合。観に来てくれる？」


「…うん、行くよ」









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「よっしゃ！練習頑張るわ」って、キラキラな笑顔を見せてくれた








「絶対勝つ」と、真剣な顔でいう彼に、


ほんの少しだけ、胸が踊った









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