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大毅くんの言う通り、
その日、望は学校へ来なかった
返信も何もなく、気持ちは落ち着かず、
帰り、隣の家を訪れた
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でも、返ってきた言葉は悲しいものだった
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Aごめんなぁ……
望、今日はしんどいみたいやねん
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体調、そんなに悪いのかな
昨日様子がおかしかったのは、体調の所為なのだろうか
ううん、大毅くんが言っていた
自分の所為だって
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「……わっかんないよ〜」
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メールを送った
隣からは明かりも何も漏れていない
寝てるのかな、何もわからない
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「A、ご飯できたよ」
「…はーい」
「珍しいね、望くん帰ってきてないの?」
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お姉ちゃんが私の部屋へ来るなりそう言った
真っ暗なお隣さん
いつ振りだろう
この時間でこの部屋に明かりが点いていないのは
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いつ振りだろう
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「…望と今日、何も話してない。
会ってもいないし、連絡もない。
いつ振りだろう、こんなこと」
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いつ振り、なのかな
ううん
これがきっと、初めてなんだ
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「寂しい?」
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お姉ちゃんの問いかけに、言葉が詰まった
望に会いたいのか、望と話したいのか、
望は、私にとってどういう存在なのか
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「……寂しい」
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いつも隣にいる人がいないって
こんなにも、寂しい事なのだろうか
望は、何とも思っていないのだろうか
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そんな時に携帯は震えた
そこに映し出された文字に、涙が溢れそうになった
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『窓開けて』
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携帯が床に落ちる音がした
いつの間にか居なくなってたお姉ちゃんには、
きっと彼が見えてたんだ
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「……望…」
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秋の夜風が吹き抜けた
互いに手を伸ばせば届く距離にいる彼は、
泣いたのだろうか
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一筋頰に跡を残し、瞳を揺らしていた
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rea_ura_0402(プロフ) - 今更ながら作品を見つけ読みました。普段占ツクで泣くこともコメントを送ることもないのですが、どうしても伝えたくてコメント書きました。とっても素敵な作品を書いてくださりありがとうございました。感情移入しまくりで大泣きでした。これからも応援してます。 (2022年8月11日 20時) (レス) @page41 id: f1fd61defe (このIDを非表示/違反報告)
瀧(プロフ) - 何年たっても読み返したくなります、本当にありがとうございます! (2020年9月29日 21時) (レス) id: 506b59ce48 (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - 涙で顔がぐちゃぐちゃ><感動しました! (2018年4月1日 13時) (レス) id: dec8b947a5 (このIDを非表示/違反報告)
hill - 1年前に読んだこの作品が無性に読み返したくなりました。もう何度読んでも泣けます(;_;) (2018年1月14日 12時) (レス) id: b003b38c7c (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - はじめまして〜、めちゃくちゃ泣けます電車で読んで涙目なって、お家で読めばよかった〜って後悔するくらい泣けます、、また読み返します〜( i _ i ) (2017年10月11日 11時) (レス) id: 3d7ec2a38a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 | 作成日時:2015年10月30日 8時