冬の向日葵 《緑》

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悔しかった









悔しかったんや









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“ Aを想う気持ちで、俺が負けるわけないやろ ”









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あの期間でAの心へ入り込めたAの王子様に、、







ただ俺は、腹を立てた









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「望〜、まだ頭痛いん」


「……良くはなったよ」


「そう？今Aが来たんやけど、会える？」









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お母さんがそう尋ねた




Aと何かあったかなんて、もうわかってるんやろな









自分でもわかった





瞳が揺れていると









お母さんは優しく、頭を撫でてくれた









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「…ん、やめとくわ」







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目を閉じてそう告げれば、




「早く仲直りしなさいよ〜」と、俺の頰を両手で挟んできた









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「…喧嘩は、してへんよ」









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お母さんが出て行き、閉まったドアに向かってそう呟いた








そう、喧嘩はしてへん








ただ、俺が一方的に“ 避けてる ”だけなんや









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�爐海鵑併�になるんやったらッ！

こんな事に、なるんやったらさ…

俺神ちゃんの代わりでなんて出なきゃ良かった…ッ��








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あんなにも嬉しかった、選手起用








なんで









なんでなん









なんでこんな、上手くいかへんの









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あんなにも嬉しかったのに、結局怪我で出られんくなるし、







Aとの心の距離が、痛いほどわかった









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“ 誰かに恋をしている ”









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繋がっていない骨よりも、




折れた心の方が、痛かった









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隣の家の部屋から、明かりが漏れてきた








電気をつけてない俺の部屋からは、眩しく見えた









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『寝てるの？』








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携帯に映し出された文字が、




少しずつ、ぼやけて見えなくなった









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『元気になったら、返信ください。

お大事にね』









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隣の家から溢れてくる明かりに、また目の前が歪んで見えた








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「…情けなッ」









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涙の止まらない自分が、




かっこ悪くて、また涙が溢れた









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