冬の向日葵 《緑》

△1 ページ1

.







秋がまだ残る通学路









紅葉の絨毯を駆け抜ければ、



ふわっと秋の香り









辺りを見渡せば枝ばかりの木が並び







少しだけ冬を感じた









.









「おはよう、A」









.







高いところから声がした






同級生の小瀧望









ずーっと、一緒なんだ





幼稚園からずーっと









.








「おはよ〜、今日も寒いね」


「ほんま、急に寒いよなぁ…」









朝の弱い彼は、まだ少し声が小さい




いつもはうるさくて、耳が痛いくらい









.









「ねぇ、知ってる？

冬にもね、向日葵って咲くんだって」









ふと “冬の向日葵” を思い出して彼に問いかければ、









「はぁ〜？何言うてるん、アホちゃう」








.








馬鹿にするように、キイッと高い声をあげるんだ









.








「本当だよ？だって、あの人が言ってたんだもん」


「あー、はいはい、もういいから。

いらんねん、そのナントカ先輩の話とか」









.







望と私は高校2年








今日も仲良く、過ごしております









.

△2→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す