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ゆっくり私に顔を近づける重岡くん
それを受け入れるように目を閉じても、一向に重なることの無い唇
代わりに落ちてくるのは重岡くんの涙だった
私が目を開ければ彼は倒れこみ、私の顔の横、
額を床に押し付けて嗚咽する声を漏らす
「俺にはできひんッ…そんな簡単に宮下さんとキスなんてできひんてッ」
重岡くんは綺麗な心を持っていて、私の事も�霤沈菁擇了�も理解ができなくて、
それでも必死になって私をわかろうとしてくれた
同じ事をすればわかるかもしれない、そう思ったのか私を押し倒してキスをしようと、
けど抵抗しない私に涙を流しながら彼は傷付いた
「重岡くんは優しいね」
「…優しい？」
「優しいよ、…大切って言ってくれて嬉しかったし、
文化祭のダンスも私に見て欲しかったからだって神山くんから聞いた、
重岡くんはかっこいいよ、優しさだとか思いやりだとか、」
「…ほんまに鈍感さんやな」
体を起こして涙を拭った重岡くんが、私の腕を取り起こしてくれて、
再び向き合って座る私たち
鼻を啜る重岡くんは目を赤くしながら言った
「他の人にこんなことせぇへんよ、
宮下さんが好きやから、…好きなんです、俺」
目を見開く私に重岡くんは笑った
「逆になんで気づかへんねん」と、張り詰めた空気が一気に軽くなったようで、
やっぱり重岡くんの笑顔は魔法のようだった
躊躇いながらも私を優しく抱き寄せて、
伝わる彼の鼓動に嘘は無いと気づかされる
「だから美術館に誘った、勉強しようって、花火大会行こうってさ、
昼休みここに行かないで欲しいって言うたんや
少しでも俺を見てもらえたらって、文化祭で軽音に負けじと踊ったんやで
…やのに、昼休みは相変わらずどこにもおらへん
俺の知らん宮下さんを見るのが怖くてさ、今までここに来られへんかったけど、
もう限界やった、…もう、傷付いてる宮下さん見たくないんや」
ぎゅっと抱き締める腕に力を込めてくれる重岡くんに、私の胸は締め付けられた
私の心には�霤沈菁擇�いる
彼はそれでもいいというけれど、卒業式、私はここで先輩と会う
その時に伝えようと決めていた
先輩が好きだというこの想いを、先輩に 気味の悪い女 と思われるのを覚悟で伝えようと決めていたから、
重岡くんのその真っ直ぐな想いに涙が流れた
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なあちゃむ(プロフ) - コメントの返信ありがとうございました！桜さんの作品は自分の頭の中で映画のように綺麗に想像することができるので本当に素晴らしいです。桜さんの作品、すべて読ませていただきました。どれも素敵で、読み直した作品もあります。これからも更新楽しみに待ってます。 (2016年8月10日 8時) (
レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - なあちゃむさん» 「また明日」っての方でもありがとうございます、とても嬉しいです、読んでくださる方の脳内で映像化されるような情景描写、美しく綺麗な世界になるように心掛けております、なのでお言葉とても嬉しく自信になります！書いてて良かったです、本当にありがとうございます (2016年8月1日 10時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 怜奈 桃ジャス民さん» 順調に進んでおられて良かったです、わかりました、応援していますね(^^) (2016年8月1日 10時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあちゃむ(プロフ) - 読んでいてその風景を思い浮かべることができました。ストーリーも本当に素晴らしくて、占ツクを読んで泣いたのは春紫苑が初めてです。本当に素敵なお話でした。また読み返します。 (2016年7月26日 17時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
なあちゃむ(プロフ) - コメント失礼致します。初めまして、友達がオススメしているのを聞いて、久しぶりに占ツクにログインして春紫苑を読みました。私が期待していたイメージを遥かに超えて本当に素敵な作品でした。情景描写の美しさ、メンバーのキャラクター、すべてがイメージとぴったりで (2016年7月26日 17時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年6月21日 1時
