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始業式、その日は昼休みがなかったから放課後になって音楽室へ駆けつけてみた
けどやっぱり先輩はいなくて、どこのクラスなのかもわからないから、
音楽室へ行く事でしか、私は�霤沈菁擇鵬颪┐覆�
次の日からまた始まった昼休みにも先輩が来なくたって、私は毎日通った
文化祭前に一度でもいい、音楽室へ来てくれませんか
そう呟いたって、願ったって無駄なのかもしれない
そう思った文化祭が始まる前日の金曜日
小さな音を立てる音楽室のドアの音が、やけに大きく聞こえた気がして、
慌てて振り返ればギターも何も持っていない、
けど相変わらずひょろっと細く、ダークブラウンの前髪が目にかかり長い指で横に流している�霤沈菁擇�いた
「…先輩、」
「…久しぶりやな」
「先輩、ギターは…、」
「ごめんな、ずっと俺の事待ってたん？
音楽室、淳太に行くなって怒られてん
ごめん、ほんまに、…俺進路が色々大変みたいでなぁ、
なんでやろな、自分の事なのに他人事みたいやねん」
へらっと笑いながらようやくドアから離れて、私に近づいたかと思えば、
そのまま通り過ぎて窓まで向かい、校庭を眺めながら腕を上げてぐっと伸びていた
「…ギター、辞めたんですか？」
私の言葉に腕をゆっくりと下ろして、音楽室の真ん中から動けないでいる私の方へ振り返る
先輩は不思議そうな顔をしていて、首を横に傾げていた
「なんで？辞めるわけないやん」
「…そう、ですよね」
「そや、文化祭も撮ってくれるんやって？」
「あっくんが部長さんにも顧問の先生にも許可取ってくれて、」
「ふふっ、嬉しいで、
俺最後のライブやねん、絶対最高のライブにするから」
久しぶりに会えた喜びと、久しぶりに聞けた大好きな声
けど二学期が始まってもなかなか音楽室へ来ることのなかった�霤沈菁�
やっと来てくれたその日、見ることはできなかったギターを弾く姿
きっと私だけの特権だった
ステージでギターを掻き鳴らしている時以外に、落ち着いて床に胡座をかいて、
好きな歌を好きなだけ歌い、好きなだけ弾いている
そんな�霤沈菁擇鮓�る事が出来たのはきっと私だけ
だから私は寂しかったのだろう
久しぶりに見たのが何も持たない�霤沈菁擇如�
どこか抜け殻のように見えてしまった事が
私は悲しかったのだろう
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なあちゃむ(プロフ) - コメントの返信ありがとうございました！桜さんの作品は自分の頭の中で映画のように綺麗に想像することができるので本当に素晴らしいです。桜さんの作品、すべて読ませていただきました。どれも素敵で、読み直した作品もあります。これからも更新楽しみに待ってます。 (2016年8月10日 8時) (
レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - なあちゃむさん» 「また明日」っての方でもありがとうございます、とても嬉しいです、読んでくださる方の脳内で映像化されるような情景描写、美しく綺麗な世界になるように心掛けております、なのでお言葉とても嬉しく自信になります！書いてて良かったです、本当にありがとうございます (2016年8月1日 10時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 怜奈 桃ジャス民さん» 順調に進んでおられて良かったです、わかりました、応援していますね(^^) (2016年8月1日 10時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあちゃむ(プロフ) - 読んでいてその風景を思い浮かべることができました。ストーリーも本当に素晴らしくて、占ツクを読んで泣いたのは春紫苑が初めてです。本当に素敵なお話でした。また読み返します。 (2016年7月26日 17時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
なあちゃむ(プロフ) - コメント失礼致します。初めまして、友達がオススメしているのを聞いて、久しぶりに占ツクにログインして春紫苑を読みました。私が期待していたイメージを遥かに超えて本当に素敵な作品でした。情景描写の美しさ、メンバーのキャラクター、すべてがイメージとぴったりで (2016年7月26日 17時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年6月21日 1時
