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授業が終わった時「ありがとうな」とリュックから一つ飴玉を取り出して渡してくれる


それがまた可愛らしくて笑っていれば「グミの方がええ?」と首を傾げて、


また机の横にかかるリュックに手を入れて、子どもらしい機関車のキャラクターが書かれた巾着袋を取り出した








「えー、かわいいの使ってるね」


「これ幼稚園から使ってるねん!

凄ない?全然壊れへんし、見た目は年重ねるごとにそら恥ずかしくなるけどさ、

別にそんな人に見せることもないし、便利やし?」


「物持ちが良いんだね、素敵なことだよ」









照れたようにはにかんで、頰を掻きながらその巾着袋を私に差し出す


「好きなの選んでええよ」という重岡くんのお言葉に甘えて巾着袋を開けば、


袋で売られてる飴玉を数個、グミは袋のままぶどう味とコーラ味が入っている


相変わらず机はくっつけたまま


重岡くんは頬杖をつき顔だけ私に向けてニコニコと笑っていた








「…あー、あのさぁ?」


「ん?あっありがとうね、飴さんいただきます」


「あっおん飴ちゃん、…いや、昼休みさ、」


「昼休み?」


「…最近どこにもおらへんなぁって、

どこ行ってるん?いつも写真撮り行ってるやんか、」


「あー、」









5限終わりの休み時間


机はくっついたまま、重岡くんは私に問い掛ける


まさか 昼休み の事を聞かれるとは思わなくて、


彼は言葉に詰まる私に目を細めていた









「…言えへん?」


「…ごめんね」


「ええねん、俺こそ変な事聞いてごめんな」


「ううん、大丈夫だよ」









6限が始まるチャイムに重岡くんはようやく机を離して、


英語の授業、ペアワークで椅子だけを寄せてもう一度縮まる距離に2人で笑って、


昼休みの話はもう気にしていないのかいつも通りの重岡くんに戻っていた









重岡くんも知っているのだろうか


霤沈菁擇留宗音楽室の噂


もし私がそんな先輩とそんな音楽室でいつも2人で昼休みを過ごしていると知ったら、


先輩が言っていた通り彼も驚くのだろうか









そもそも私は先輩の噂を知らないから、どうして誰にも話してはいけないのかわからなくて、


それでも先輩との幸せな時間を誰かに話したいとは思わない


心の中に仕舞い込み、ただ一人でその幸せに浸っていた









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設定タグ:霤朕鰺 , ジャニーズWEST , 濱田崇裕   
作品ジャンル:恋愛
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なあちゃむ(プロフ) - コメントの返信ありがとうございました!桜さんの作品は自分の頭の中で映画のように綺麗に想像することができるので本当に素晴らしいです。桜さんの作品、すべて読ませていただきました。どれも素敵で、読み直した作品もあります。これからも更新楽しみに待ってます。 (2016年8月10日 8時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - なあちゃむさん» 「また明日」っての方でもありがとうございます、とても嬉しいです、読んでくださる方の脳内で映像化されるような情景描写、美しく綺麗な世界になるように心掛けております、なのでお言葉とても嬉しく自信になります!書いてて良かったです、本当にありがとうございます (2016年8月1日 10時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 怜奈 桃ジャス民さん» 順調に進んでおられて良かったです、わかりました、応援していますね(^^) (2016年8月1日 10時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
なあちゃむ(プロフ) - 読んでいてその風景を思い浮かべることができました。ストーリーも本当に素晴らしくて、占ツクを読んで泣いたのは春紫苑が初めてです。本当に素敵なお話でした。また読み返します。 (2016年7月26日 17時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)
なあちゃむ(プロフ) - コメント失礼致します。初めまして、友達がオススメしているのを聞いて、久しぶりに占ツクにログインして春紫苑を読みました。私が期待していたイメージを遥かに超えて本当に素敵な作品でした。情景描写の美しさ、メンバーのキャラクター、すべてがイメージとぴったりで (2016年7月26日 17時) (レス) id: 525c05de2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年6月21日 1時

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