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今の俺は抜け殻です
家族はもうおらん、周りにおったはずの友達もいない
雨の日に怪我した足首、ほんまは今でも痛むんです
ああ、もう治らへんねや
この足、きっと剣道続けてたらいつかはただの肉の塊になってたかもしれへん
それでもいつかは引退する世界なら最後の最後まで竹刀を握っていたかった
けどそんな全てやった剣道さえも失いました
空っぽです
こんなに近くにあるのにもう剣道着を着る事は許されへん
竹刀に触れる度に死にたくなった
大事な物で人を傷つけようとした自分が許せなくて、
一人になると自分を殺したくなる
けど抜け殻の自分はもうそんな気力もないんです
ただ安藤さんを探して、叫んでいたんです
助けて、お願い、一人にしないで
安藤さん、俺の
そんな事叫んでさ、安藤さんの事探してたんです
ほら、今やって俺落ち着いてるやろ
俺安藤さんとおると平気なんやって気づいた
苦しくない、むしろ楽しくて、幸せで、落ち着くんやって
安藤さん、安藤さんは俺の欠けたものを埋めてくれるピースです
バラバラになった俺のパズルも、抜け殻やった俺も生き返る
ありがとう、今までたくさん
安藤さんと友達になれて、あの日助けてくれたのが安藤さんでほんまに良かった
生まれ変われたら、胸を張って安藤さんの前に立てる日がきたら、このピースを届けにきます
必ず帰ってくる、だから此処で待っていてください
また再会できた時、その時は三人で遊園地行こう
約束やで、…俺と安藤さんの、約束です
＊＊＊
ついに訪れてしまった月曜日
昨晩、必死に涙を堪えながら手元にあった3ピースをはめ終えた私に彼は優しく抱き寄せてくれた
そのまま眠った最後の夜
朝起きた時にもまだ腕の中に入れた事が幸せだと感じられた
「おはよう藤井くん」「おはよう安藤さん」と
朝ごはんを食べ、影を並べてゆっくりと登校したいつもの道
二人で教室に入れば静まる室内に彼は悲しげに笑っていた
教科書が飛び出していたはずの自分の席に向かい、
「綺麗になってる」なんておかしそうに笑いを含めて呟く
彼のずっと置きっ放しにしてきていた教材等は先生達が既に岡山の方へ送ったという
唯一椅子の上に置かれた冷たいクッションを手に取り、彼は懐かしむように強く抱き締めた
クラスメイト達はそんな彼の美しい姿に息を呑み、
そして言葉を失っている
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くまりんご(プロフ) - 84話の流星と大ちゃんのくだりがとても泣けました、桜さんが書く世界観がとても好きです！！これからも頑張ってください！ (2017年8月16日 23時) (
レス) id: e2ac88fff8 (このIDを非表示/違反報告)
しほ - お話読ませていただきました！今までなったことないような、なんとも言えない気持ちになり、何度も何度も読み返してしまいました。これからも応援してます！ (2017年4月30日 12時) (レス) id: 3dfa1a26ca (このIDを非表示/違反報告)
フレンズ - この作品、すごく好きです！ 更新頑張ってください！ (2017年4月20日 14時) (レス) id: 1d5f3d8302 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL - 更新、待っていました。流星くんと大吾くんの笑顔と涙が重なって…言葉にできないけれど、頭の中に残っています。これからも、楽しみに待っています。 (2017年3月9日 23時) (レス) id: ebf57fe415 (このIDを非表示/違反報告)
のんぴー(プロフ) - 桜さん、のんぴーです。受験が終わり久しぶりに読ませていただきました。私の持っている言葉ではうまく感想が伝えられません。これからも応援してます。 (2017年3月8日 23時) (レス) id: 4a04a2b822 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年9月20日 19時
