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固まる私に大ちゃんはため息を吐く
少し乱暴に後ろ髪を掻いて、俯かせた顔を起こした彼の真剣な目が私の目を捉えて離さない
前髪からは変わらず額の傷が覗いていて、
私と向き合うように座り直した大ちゃんは胡座をかき顔を覗き込むように言葉を並べた
「…男ってAが思うてるよりずっと単純やねんで
こうやってさ、俺が起きるまでいてくれただけでも嬉しいし久々に二人きりやあって喜んでるし、」
「ふふっそうなん？」
「うん、けどなA
男はみんな狼やねん、優しい流星やってそう
やからやっぱ心配です、…流星ならそんな酷い事せんって信じてるで？
それでも信じきれてない自分に腹が立つしやったら何も考えないようにハードルの事だけを考えよう、
そしたら眠れへんわ食事喉通らへんわ、でもジッとしてるとモヤモヤするから外行って走って〜みたいな？」
突然語られた彼の心情に何も言えずにいれば大ちゃんは吹き出したように笑い、
「結局全部言うてるやん俺〜」と前のめりに私へ手を伸ばし頭を乱暴に撫でた
乱れた髪を直す私を見つめながら彼は言葉を続ける
「だから言いたくなかってん、ほんまの事話せばAそうやって困るやんか」
「困ってるんちゃう驚いてるの
そんな事で倒れるくらい心配って、大ちゃんアホちゃう？」
「はあ？！おまっ、」
「いや嬉しいでっ？嬉しいけど、」
「じゃあAはさ、俺が突然クラスのある女の子と一緒に暮らします〜言うたらどう思うん、何も思わんの？」
「いやどうやろ、…確かに驚くしなんか嫌やけど、
でも大ちゃんはそんな事せんやろって前にも……、」
後頭部に回る手に思わず言葉は止まった
保健室の先生は他の仕事があるからと鍵を私に託して不在、だから必然的に私達以外に人のいない保健室
私を少し見上げる彼は寂しそうな目をして首を傾げた
「…大ちゃん？」と名を呼べば言葉を発する事なく勢い良く空いている手で腕を引き、
押し倒しては硬直する私の上履きを脱がして膝を抱えて全てベッドに入れるように腕を動かす
抵抗しようという思考回路すら回らず、石のように固まる身体に真っ白になる頭の中
「…そんな事せぇへんってな、」
「…せぇへんよ、大ちゃんは」
シーツを握れば呆気なく絡められる指に息を呑む
初めて見る彼の顔に小さく低い声
手、大きくなったなあ なんて
そんな状況でも彼に対して不思議と強い警戒心は抱いていなかった
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くまりんご(プロフ) - 84話の流星と大ちゃんのくだりがとても泣けました、桜さんが書く世界観がとても好きです！！これからも頑張ってください！ (2017年8月16日 23時) (
レス) id: e2ac88fff8 (このIDを非表示/違反報告)
しほ - お話読ませていただきました！今までなったことないような、なんとも言えない気持ちになり、何度も何度も読み返してしまいました。これからも応援してます！ (2017年4月30日 12時) (レス) id: 3dfa1a26ca (このIDを非表示/違反報告)
フレンズ - この作品、すごく好きです！ 更新頑張ってください！ (2017年4月20日 14時) (レス) id: 1d5f3d8302 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL - 更新、待っていました。流星くんと大吾くんの笑顔と涙が重なって…言葉にできないけれど、頭の中に残っています。これからも、楽しみに待っています。 (2017年3月9日 23時) (レス) id: ebf57fe415 (このIDを非表示/違反報告)
のんぴー(プロフ) - 桜さん、のんぴーです。受験が終わり久しぶりに読ませていただきました。私の持っている言葉ではうまく感想が伝えられません。これからも応援してます。 (2017年3月8日 23時) (レス) id: 4a04a2b822 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年9月20日 19時
