◇49 ページ4
.
どこか久しぶりに感じる大毅くんの家へ二人で帰った
相変わらず綺麗な部屋で、それでも緊張しないのはもうここにも慣れたから
「疲れたやろ、ソファで休んでて、」
そう言って帰宅早々に手を洗い、エプロンをつけた大毅くんはキッチンへ向かう
彼も営業回りで疲れているはずなのに、そんな事言ったって彼は気にするなと言うのをわかってるから、
「ありがとう」とお言葉に甘えて、大毅くんの香りでいっぱいのクッションを抱き締めながらソファに沈んだ
「連勤あと何日なん？」
「あと3日かな〜」
「そっかそっか、休みは何日間？」
「2日もらえたよ」
「ふーん、どっか行きたいところとかないん？
あー、でもゆっくり休みたいよなぁ、…てか2日しか貰えへんかったん」
料理をしながら大毅くんは少し大きめな声で話しかけてくる
私もそんな彼に聞こえるようにいつもより少し大きな声で返し、ソファの背もたれに体を向けてキッチンを見た
「大毅くんも休みなの？」
「ちょうど1日だけ被ってるんかな、うちでのんびりするか？
なかなか休み被らへんし、せっかくやから一緒におりたい」
「ふふっ、私も、
いいよ、疲れてないから久しぶりにどこか行こうか」
「ほんまに？ありがとうな」
大毅くんが食器を両手で一つずつ持ったのを見て、
私も「手伝うよ」と立ち上がり、ご飯とお茶を運んだ
「ごめんな、ありがとう」
「ううん、こちらこそありがとうね、
本当に美味しそう、少し前までグチャグチャだったのに」
「あれはスクランブルエッグやぁ言うたやんけ」
「ははっ、そうだったね」
毛布を外したこたつに並べられた夕食
角を挟み二人で座り「いただきます」と手を合わせた
自信作だというそのオムレツを頬張ってみれば本当に美味しくて、目を輝かせて感想を待つ彼に「美味しい！」と伝え、
「よっしゃ〜！」と喜ぶ大毅くんと顔を見合わせて笑い、
彼はスープを一口飲んだ
「大毅くん、私水族館行きたいかも」
「水族館？それ言われたのいつ振りやろ」
「子どもっぽいとか思ってるでしょ」
「思うてへんよ、俺も行きたかったからさすがやなって」
嬉しそうに笑う大毅くんに、少しだけ胸がチクリと痛んだ
それをまた私は気づかぬふりをして、
次の休みの日を楽しみに、美味しいオムレツを口へ運ぶ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜(プロフ) - 嶺遠さん» 本当ですかっとても嬉しいです！好きになった人と伝えた頃から両想いで結ばれる人の方が少ないのかなと私は思います。言われて初めて意識する事が多く、恋自体も錯覚かもしれない、美しく儚いものです。そう感じていただけて嬉しいです！これからも頑張ります！ (2016年7月25日 11時) (
レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
嶺遠(プロフ) - 私は好きな人が全くおらず、恋心で一喜一憂というのがないので、この作品で気持ちが届かない苦しさや想われる暖かさなどを痛感して涙が流せて心はぎゅっと苦しいのにその感覚に嬉しさも感じます！ (2016年7月16日 2時) (レス) id: 6ceca9436c (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - まゆさん» 申し訳ないです…主人公、とても苦しく贅沢な立ち位置であります…これから時間のある限り更新頑張っていきますので、どうか結末までお付き合いいただけたらなと思います！ありがとうございます笑 頑張りますね！ (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - ふーさん» コメントありがとうございます、すごく嬉しいです！お言葉、全て嬉しく胸がいっぱいになります。私のストーリーは私が伝えたい事と、彼らにこんな役が来ないかなと思い描きながら書く事が多いです。お言葉本当にありがとうございます。励みになります！頑張りますね！ (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 嶺遠さん» 二人とも素敵なんですよね、飴玉くれる彼も残像を求める先輩も、綺麗なんですよね。本当いつもこんな作品ばかりで申し訳ないです…そう言っていただけると嬉しいです！更新頑張っていきますね、励みになります。ありがとうございます！ (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜
| 作成日時：2016年7月5日 21時
