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「ごめんなさい！本日貸切となっておりまして、」
そう言って頭を下げていたのは私たちより二つ下の後輩の男の子
背の高いその人は、入り口から一番遠くにいる私たちからでも見えていた
あっくんは目を見開き左右に揺らしていて、私の手首を掴んで大きな背中に隠れるように後ろへ追いやる
私はただ何も言えずに、回らない酸素を求めて胸元を握りしめた
「ははっ知らん顔やなぁ」
重たいその前髪を触る癖も、困ったように笑うその顔も、笑い声も、
変わらない、けど少し大人びていて、
全部、全部、鮮明にあの頃の記憶が戻ってくるようで、
込み上げてくる涙と、私の手首を握る手に力が入るあっくん
「ごめんごめんごめん、俺が呼んだんや、
知らんの？コイツ軽音で過去イチギター上手かったで有名やで」
そう言ったのは紛れもないあのギターボーカルの先輩で、
誰もがそこに注目してる中、先輩の肩に腕を回してみんなに向かって気だるそうな声を出した
「俺も一昨日くらいにたまったまコイツ見かけてん
ハァ？！お前今まで何処行ってたん？！って、
まあとっ捕まえて連れてきちゃいました〜、
みんな覚えてる？ってか忘れられへんよな、
あの伝説のバンドのギタリスト、�霤朕鰺気�んのお出ましです」
歓声が上がったり、困惑してる人もいたり、
神山くんもあっくんも、私も、その光景をただ遠くから眺める事しか出来なかった
あっくんに握られた手首、�霤沈菁擇寮爾�聞こえるたびに強くなるその手に「痛い」と呟けば、
私を隠すその大きな背中が少し振動するような低い声で「ごめん」と少し力を抜いてくれた
「あれっ照史やんっ！」
愛おしいその声があっくんを呼んだ、少し遠いところにいた�霤沈菁擇�こちらに向かってくるのを感じ、
緊張が彼の背中から伝わってきて、思わずあっくんのスーツを握った
縮こまる私はきっと�霤沈菁擇砲聾�えていない
けどすぐ近くから聞こえてくるその声に、涙が溢れてくるようだった
「久し振りやんなぁ！元気にしとったか？
ははっ照史がスーツ着てるなんてなぁ」
「…なんで来たん、今まで何処で何してたんや」
「来たらあかんかった？俺は久し振りに会えて嬉しいで」
入り口の方の人達はもう気にしてないように盛り上がっていて、
賑やかな空間に似合わぬ張り詰めた空気が漂い、
思わず私は固く目を閉じた
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桜(プロフ) - 嶺遠さん» 本当ですかっとても嬉しいです！好きになった人と伝えた頃から両想いで結ばれる人の方が少ないのかなと私は思います。言われて初めて意識する事が多く、恋自体も錯覚かもしれない、美しく儚いものです。そう感じていただけて嬉しいです！これからも頑張ります！ (2016年7月25日 11時) (
レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
嶺遠(プロフ) - 私は好きな人が全くおらず、恋心で一喜一憂というのがないので、この作品で気持ちが届かない苦しさや想われる暖かさなどを痛感して涙が流せて心はぎゅっと苦しいのにその感覚に嬉しさも感じます！ (2016年7月16日 2時) (レス) id: 6ceca9436c (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - まゆさん» 申し訳ないです…主人公、とても苦しく贅沢な立ち位置であります…これから時間のある限り更新頑張っていきますので、どうか結末までお付き合いいただけたらなと思います！ありがとうございます笑 頑張りますね！ (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - ふーさん» コメントありがとうございます、すごく嬉しいです！お言葉、全て嬉しく胸がいっぱいになります。私のストーリーは私が伝えたい事と、彼らにこんな役が来ないかなと思い描きながら書く事が多いです。お言葉本当にありがとうございます。励みになります！頑張りますね！ (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 嶺遠さん» 二人とも素敵なんですよね、飴玉くれる彼も残像を求める先輩も、綺麗なんですよね。本当いつもこんな作品ばかりで申し訳ないです…そう言っていただけると嬉しいです！更新頑張っていきますね、励みになります。ありがとうございます！ (2016年7月15日 23時) (レス) id: 3a95ea47e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年7月5日 21時
