Curse of the Mirror ──鏡の呪い── (ページ16)

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花びら十五枚目　Kyoka　──狂花── ページ16

そこには──

「チッ、なんでここにいるんだよクソ神父」

そう。

エイブラハム・グレイだ。

「いつもより長く出かけていると思ったから様子を見に来たんだ」

「別に俺がどこで何してようがいいじゃねえか」

…この人確かザックには甘い、みたいな話をどっかで聞いたことあるような…。

そんな事を考えているとグレイが私に言った。

「先程から見ていたが、君のそのとっさの判断力と行動力…『彼女』が求めている『かわりもの』の素質がありそうだ…」

「かわり…素質…え？」

「何ブツブツ言ってんだクソ神父」

「…そこのお嬢さん───人を殺した事はあるかね？」

「…え？」

人を…。

私は部屋で両親を刺したことを思い出す。

思い出したくもない、あの光景…。

「……………ある」

「では、家に帰れないのかね？」

「…うん」

「ならば丁度いい」

「は？」

「おいさっきからゴチャゴチャ何言ってんだクソ神父。意味分んねーよ」

「私の古き知り合いが、居場所のない殺人鬼を集めていてね。私から君を推薦したい」

「「は？」」

私ばかりか、ザックも意味が分からず間抜けな声が出る。

「だから私について来てくれ」

「おい待て」

「なんだねザック」

「クソ神父じゃねえ。お前だ」

「私？」

「ああ。俺を吹っ飛ばしたんだ。いつか殺すから名前教えやがれ」

「名前…」

もう、名乗りたくない…。

どうすればいいかな？

私の名前は花の名前だった。

…自分はもう狂ってるし…。