#1 Promise to god ──神に誓った約束── ページ1
──俺は今、とある少女がいた建物の屋上にいる。
少女──レイはこちらを見た。
「──ようやく、殺してもらえる」
「あぁ。その為に脱走して来たんだよ」
『誰か!誰か警察を呼んで!!』
「ちっ、バレたか」
「窓ガラスが割れてたら脱走犯の有無に関わらずそうなるよ」
「まぁ…そうか」
…他の方法考えるべきだったか?
まぁ良いか。
「じゃあ、ザック」
レイが俺の方を向いた。
そして両手を胸のあたりで組んで、言った。
「──私を、殺して」
「──あぁ」
俺はナイフを構えた。
もともと武器はナイフだったし、鎌はビルから脱出する時に壊してしまった。
このナイフは、俺がレイにあげたやつだ。
「もらったけど、やっぱりザックが持っていたほうがいい」と言われ、ついさっき返された。
さて、俺は嘘が嫌いだ。さっさと誓いを済ませよう。
「…私ね」
レイが口を開いた。
「ザックに会えて、良かったって思ってる。今、誓い通りに私を殺してくれることも、
とっても嬉しい」
「そーかよ」
「ザックは?」
「まぁ、お前と会えて、ちったぁ良かったんじゃないか?」
「そっか…。ねぇザック。私は死んでもザックのことを忘れない。だからザックも、
私のこと、忘れないで。それから────あんまり早く
「あぁ、分かった。…じゃあ、レイ──笑え」
「うんっ!」
レイはニコッと笑った。
目は、死んでいない。
殺したいと思った。
でも、この笑顔を消したくないとも思った。
…俺は、嘘が嫌いだ。
だから誓い通りに…。
「さよなら、ザック」
「またな、レイ」
まるで、花びらのように。
今まで見た中で、1番美しく、血が舞った。
#2 Eternal sleeping place ──永遠の眠り場所──→
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酔遺花梨夢(すいかリム)(プロフ) - つーたさん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年12月13日 16時) (レス) id: 78eafe07d1 (このIDを非表示/違反報告)
つーた(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2022年12月8日 21時) (レス) @page5 id: fa411b26e5 (このIDを非表示/違反報告)
梨夢(リム) - 莉詩奈さん» ありがとう!頑張る!! (2022年9月12日 16時) (レス) id: d414d59838 (このIDを非表示/違反報告)
莉詩奈(プロフ) - 好きッ!更新がんばえー!! (2022年9月11日 19時) (レス) @page4 id: 40cb652138 (このIDを非表示/違反報告)
梨夢(リム) - 神薙巫亜−かんなぎみあ−さん» ありがとうございます!!更新頑張りますのでお楽しみに!! (2022年8月25日 14時) (レス) id: 9950d9dbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酔遺花梨夢(すいかリム) | 作成日時:2022年8月1日 12時