人生の選択を Type.B【歌い手】

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“久しぶり。なかなか連絡取れなくてごめん。元気にしてる？”


そんなとてもどうでもいい内容のひとことを、君に送った。ひとことだけなのに緊張してなかなか送信ボタンが押せなかったなんて、そんな情けないことは絶対に言えない。

いつもいつも僕の背中を追いかけ回していたときの君がいつまでも抜けなかったくせに、今やもうしっかり1人の女の人として君を認識しているチョロすぎる自分に自嘲した。


窮屈な地元から出たかったのは自分なのに。
大学が始まる前から、もう君に会いたくて堪らない。

既読がついて、けれどなかなか返事が返ってこなくて。なかなか連絡しなかったから怒らせてしまったのかもしれない。

アプリを落として必要もないのに身の回りの整理を始めると、テーブルの上に置いたスマートフォンが通知を告げた。


“元気だよ。でも、真冬がいないからさみしい。
＿＿来年。絶対にそっち行くから。”


ふっと笑ってしまうほどに君らしすぎる、強気の決意表明。
ああ、そうだ。君がそうやっていつも変わらずにいてくれたから、僕は何の疑いも持たずに進んでこられたんだ。

来年君は絶対にこっちに来るだろう。そうしたら君に言われるより前に、先に言ってやろう。

君が大切だって、気付いたことを。



Fin

今度は、私が。/となりの坂田。 By.星奈 ふゆ→←go for it/まふまふ By.ななは

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