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ポンポンと頭を撫でられて、少し照れくさい。でも暇なのが私くらいで、忙しいみんなの変わりに遊んでいるだけの事。仕事となると想像がつかなかった。
「あとはそうやなー。絵も描くの好きやし、読み聞かせも上手やし、何よりこんな優しい子見たことないわー」
「…普通だよ」
なんというかたまにセン君は過大評価してくれる。嬉しくないわけじゃないけど…、恥ずかしい。
「好きな事は好きっ。得意な事を得意。って言わんと好きにも得意にもならんよ」
あげていってみて、と言われて些細なことでも好きと得意を言っていく。
公園、帰り道、家、金平糖。乙女ゲームとケーキ、人の悩みを聞くのが得意で、なんとなく空気を読めて、嫌われた事は一度もない。好き嫌いはないし、ご飯もちゃんと食べて良く寝てる。
そんな風にあげていけばクスクスと笑われた。
「なんで笑うの……」
「好きと得意のチョイスよ」
「だって…、こんな些細なことしか出てこない」
もちろん、お兄ちゃんも好きだよと伝えればまたよしよしと撫でられた。
「裁縫は？」
「え」
「Aよぉ、雑巾とか縫ってくれるしミシン使える子今少ないよ」
「……お母さんの真似しただけだよ」
母は手先が器用で私が小さい頃からよく洋服や筆箱などを作ってくれた。カタカタと動くミシンが凄くかっこよくて見よう見まねで真似してきたから合っているか分からなかったが、何着か独学で作っていた。
「じゃあもっと上手くなりたいって思う？」
「………、うん。皆に作ってあげたいなって思うよ」
そしたら服買わなくてもいいし、好きな形を生み出すことができる。そんな安直な考え方だった。
「ならそんな感じで見つけていったらいいんやないてすか？」
見つけ方なんてそんなもんだよと答えを出してくれたセン君にお礼を言ってもう少しだけ考える。
でもなぁ…、保育士はお給料低いって聞くし、服飾は材料費がバカにならなさそう。まだ下の子たちもいるんだし、県立に行ってお金を残せるような選択肢もあるなぁ。
…中卒で仕事できるのかな。アルバイトだって出来る歳だし、働けば少しは役に立てるかもしれない。当時はそんな事ばかり考えていた。
勉強もろくに出来ないから、一生懸命働いてみんなが笑顔になってくれるならそれでいいや。
────…
＊＊＊→←拝啓、13歳/センラ 天月 伊東歌詞太郎 By.こんぺいとう。
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ゆら - わー！私、丁度受験終わったところなんです(´TωT｀) (2021年5月3日 12時) (
レス) id: 178b398402 (このIDを非表示/違反報告)
あーやんの向日葵畑(プロフ) - こちらもすべて見ました、個人的にaftertheRainが好きでとても素敵なお話がたくさんありました！どの作者様の思いが込められていて幸せな気持ちになりました、神企画の名にふさわしいものですね(*´艸｀*素敵な作品をありがとうございました！ (2020年3月15日 21時) (レス) id: 6889ca0c35 (このIDを非表示/違反報告)
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