好きの気持ち/nqrse By.トーストぱん ページ28
*
物憂さと甘酸っぱさが胸から離れないこの感情を、人は「恋」というのだろう。
彼を見る度に感じる甘味、今まで感じたことのない高揚感。ある時は苦味に。またある時は悲しみに。胸を締め付けられる感覚がする。
そして、その先にある「好き」の二文字。
自覚したら、彼への想いはとどまることを知らない。好きで、好きで、好きで、友達以上の関係になれたら、なんて願ってしまう。
「A、早く帰ろ？」
その声にハッとして、声の先に目を向けた。リュックを背負ってコートも着て、帰る準備万端のなるせが机の横まで来ていた。
「うん」と短く返事をし、机に広げられていた参考書、プリント類をカバンにしまい、彼と塾の外へ出た。
12月の肌に刺さるように冷たい風を感じながら、イルミネーションできらきらと照らされる街中を歩いていく。
隣から「そういえば…」と聞こえ、そちらに意識を向けた。
「あと１ヶ月でセンター試験とか早くね？まだ覚えられてないところあるんだけど」
「ね、すごく早い」
「もう塾ともおさらばなのか〜！」と言いながら駅の改札口を通る彼に続いて、自分も改札口を通る。
大学受験が終われば、塾に通うことも、なるせに会うこともなくなる。
彼と私は違う高校に通っており、今通っている塾でしか接点がなかった。
同じ大学に受験できたら＿＿とも思ったが、現実はそう甘くなかった。
その事実がとても悲しく、同時に、告白の出来ない自分に苛立ちを覚えた。
「じゃあ、またね」
そう言い手を振る彼に手を振り返して、ちょうどよくやって来た電車に乗り込んだ。
扉が閉まってもなお、手を振り続けてくれる彼が窓越しに見え、胸がキュンと鳴るのが分かった。
「(受験なんて、来なければいいのに)」
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ゆら - わー！私、丁度受験終わったところなんです(´TωT｀) (2021年5月3日 12時) (
レス) id: 178b398402 (このIDを非表示/違反報告)
あーやんの向日葵畑(プロフ) - こちらもすべて見ました、個人的にaftertheRainが好きでとても素敵なお話がたくさんありました！どの作者様の思いが込められていて幸せな気持ちになりました、神企画の名にふさわしいものですね(*´艸｀*素敵な作品をありがとうございました！ (2020年3月15日 21時) (レス) id: 6889ca0c35 (このIDを非表示/違反報告)
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