【となりの坂田。】ヴィヴィット/ぱふとぅん ページ23
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「今、何か夢中になれるものはありますか?」
そう聞かれたら私は答えることが出来ない。何故なら夢中になれるものがないからだ。ただ与えられた日々を過ごすだけの毎日。つまらない、と言われてしまったらそれまでな私の日常。
しかし、そんな色のない私の日常を変えた人がいた。
「Aー!!」
「…また?」
「よう分かってるやーん!!」
「そろそろ自分でやってくれない?」
そう言いながら私はノートを手渡す。__ごめんごめん、__と苦笑いしながら言う彼は坂田。クラスのムードメーカー的存在な彼。このクラスに必要不可欠だ。そんな彼と私は幼馴染という関係がある。
と言っても漫画でよくあるような恋に発展して…というのはなく、ただ私が一方的に恋しているだけ。
「A、あのな…」
卒業式の日、頬を赤く染めた彼からその言葉の続きを聞くのが怖くて__ねぇ坂田__と言葉を被せて言った。坂田は一瞬口を噤んで、__なぁに?__と悲しそうに笑った。そんな顔を見たくなかった。けれど…
「卒業おめでと。ばいばい」
「っ、うん。ばいばい」
最後に見た坂田の顔はきっと生涯忘れないだろう。
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なのなの-VII(プロフ) - 以前から気になっていたのですが、時間がなく、やっと拝見させていただくことができました。私の少ない語彙力では、気持ちを全て伝えることができないことが悔しいです。なので、一言だけ。とても、素晴らしかったです。 (2019年12月9日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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