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「…おいしい」
「本当!?よかったぁ、」

目の前の女__Aと名乗った彼女は大げさに胸を撫で下ろす。しかし本当にお世辞抜きでこの紅茶とビスケットは美味しい。紅茶はそこまで顔を近付けるまでも無くその香りが鼻腔に広がるし、サクリと音をたてたビスケットだってあの特有の口内の水分を奪い尽くされる不快感とは無縁のものだ。


「これ、Aさんが作ったんですか?」
「そうだよ〜!紅茶は地元のやつを私が淹れて、ビスケットは今日の朝焼いたやつ!」

「えへへ、褒めていいよ」なんて彼女は自慢気に胸を逸らす。その姿はシスターなんて大仰な肩書きのせいか余計に幼く見えた。


「そういえば、この教会ってどんな神様を祀ってるんですか?」
「それはね、これ!」

彼女が指さしたのはもう湯気が落ち着いたティーカップ。

「ティーカップ?」
「そう!ティーカップにいる神様じゃなくて、お茶好きの神様なの」
「お茶…好き?」
「ふふ、不思議でしょ?」


お茶好きなんてお茶目な神様を一心に信じる君の姿は先程までとは違ってなによりも神聖で、高潔なものに見えた。

+++

「それじゃあ、ご馳走様でした」
「いえいえ〜、久しぶりに人とお話出来てすっごく楽しかった!また来てね」

そう言って姿が見えなくなるまで手を振ってきた君の姿を見て、また来てやってもいいかもななんてぼんやりと考えた。



「わたる...くん、ふふ、覚えちゃった」

*→←【うらたぬき】少年はダージリンの夢を見る/みつい



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なのなの-VII(プロフ) - 以前から気になっていたのですが、時間がなく、やっと拝見させていただくことができました。私の少ない語彙力では、気持ちを全て伝えることができないことが悔しいです。なので、一言だけ。とても、素晴らしかったです。 (2019年12月9日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年4月29日 23時

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