Story 2 ページ3
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( Akito Side )
Vivid BAD SQUADとして活動し始めてまだ数日しか経ってないある日、杏が一人の女を連れて来た。
どうやらこの女はストリートでソロしてて、その歌声に惚れたとか何とか言ってたような気がする。
名を聞けばA A。
同じ神高の一年で、冬弥と同じクラスらしい。
で、杏がどうしてもVivid BAD SQUADの仲間にしてやりたいってことで半ば強制的にAが一員となった。
それからAと一緒に活動し始めてから、オレからAへの感情が徐々に変わり始めていた。
Aと居て楽しいとか、居ないと寂しいとか、話したいとか一緒に居たいとか色々。
そう思ったのは初めてだった。
それが「恋」、と気付いたのも結構経ったくらいだけど。
それと同時に、黒く渦巻く嫌な感情まで湧き上がった。
「嫉妬」だ。
冬弥とAは同じクラスの上、仲良しだ。
二人が話してる所を見たり想像してるだけで嫉妬心が湧き上がる。
「何でオレじゃなくて、冬弥なんだよ。」
何でオレはAと同じクラスじゃないのか。
何でいつもの話し相手は冬弥なのか。
冬弥が凄く羨ましいと思った。
「…っ、やべ、少し時間経っちまった。」
「ちょっと彰人、そんな慌てて何処行く訳？」
あれこれ思ってたら少し時間が経っていた。
携帯と財布をポケットに仕舞って部屋から出るなり、一人の女に呼び止められた。
姉の「絵名」だ。
「何処でもいいだろ、つか教えねえからな。」
「別に知りたくもないけど。あ、外出るならチーズケーキ買ってきて。」
「はあ？それくらい自分で買いに行けよ。」
「今サークル仲間と作業してるから忙しいの、帰りに買ってきてよね。じゃあね。」
「あ、おい絵名！」
絵名は言いたいこと言ってそのまま部屋に戻って行った。
なんだよあの頼み方は……まあ、いつものことだけど。
少し大きめな溜息を付けば、そのまま家を出てAの家へ向かった。
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作者名：葉口 x他1人 | 作成日時：2020年10月24日 14時
