爽やか君の大事な人は食欲旺盛な美人さん【菅原孝支】

彼女ちゃん１ ページ2

菅原side


部活がはじまり、少したったときだった。





日「...スガさん！」





日向が目をキラキラさせながら

ぴょんぴょん跳ねてきた。



菅「んー？なに、日向。」






日「A先輩、来てますよ！」






日向は体育館の入り口を指さした。


そっちに目をやると

チラチラと見え隠れする、見覚えのある後ろ姿が。





菅「あ、本当だ。」





どうやらしゃがんでいるようで

低い位置にいる彼女。



...日向はよく見つけたなぁ。






菅「だーいーちー。」






入り口を指さして、大地を呼ぶと

はぁ、とため息をついて






澤「よし、給水！...行ってこい。」






と言ってニッと笑った。



これだから、ウチのキャプテンは頼もしい。



事情は、バレー部みんな知っている。


コーチだって知ってるくらいだ。



いつの間に、こんなに知られたのか。





小走りに彼女の元へ駆け寄り





菅「Aー？どした？」





と、頭にポンと手を乗せた。




「あ、孝支。」




顔を上げた彼女は、目をパチパチさせて

俺が来たことを驚いていた。








「特別やることもなかったから、孝支を待ってるの。」








菅「待ってる、って...まだだいぶ時間がかかるべ？」





「いい。待ってるから。」






彼女、Aは帰宅部。


バレー部の俺は、帰りがいつも遅いのに

彼女は待ってくれていて、一緒に帰っている。




いつも、いつも、待ってくれる彼女に

少し申し訳ないな、と思ったり。



当の本人は、クッキーを止まらない勢いで食べている。



相変わらず、おいしそうに食べてるなー((笑




食欲旺盛な彼女。


いつも、なにかしら食べている。


そういうところも、なんだかかわいくて

俺はどんどん好きになっていってるんだけど。






菅「中で練習見てればいいのに。」






外は少し寒い。


中ならまだ、人数もいるし暖かいのに...。






「...クッキー、食べてるから...。」





汚すといけない。


と、首を横に降る。



...『食べない』という選択がないのがA。







菅「まあ、ステージの上なら食べてもいいと思うよ。」







それに、Aならみんな許すと思うし。





少し考えた後、彼女は







「...じゃあ、おじゃまする。」






と言って、立ち上がった。

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