我らが噂のくのたま上級生！！ (ページ15)

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くのたま上級生１２ページ15

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勘右衛門side

『おーい！持ってきたよ！甘味！』

約束通り次の日、女の子は甘味を持って食堂にやってきた。

手には俺たちじゃ買えないお高めの甘味を持っていた。

「そ、それっ！めっちゃ高いやつじゃないの！？」

『え"ｯ！あ、うん！この前テストでいい点取ったってお母さんに文を送ったらご褒美でくれたの！』

「へー！そうなんだ！いいな〜」

『一緒に食べよ！』

「同室の子と食べないの？」

『きよちゃん甘いの苦手だから』

「そーなんだ、こんなに美味しいのに」

ねー！

なんてお互い言いながら団子を頬張る。

他の甘味も食べながら自己紹介をしていく。

女の子の名前はAAと言って、よく皆からAって呼ばれてるらしい。

実家は町で有名な簪屋で、Aちゃんも簪が好きらしい。

『ねぇ！これすごく美味しいの！私のおすすめなんだ！』

そう言ってスプーンに餡蜜を乗せてこっちに向けてくる。

……え？これ素でやってんの？

可愛すぎない？

こっちに向けてるってことは食べていいってこと…だよね？

そう悩んでると食べない俺を見て首を傾げる。

だからッ！その仕草ｯ！！可愛いんだって！

自覚してっ！！？
(初めて会ったの昨日です)

俺は意を決して向けてくれているスプーンを口に入れあーんをしてもらった。

「おいしいっ！」

今まで食べた餡蜜の中でも1位になるくらい美味しくて、思わず大きな声を出してしまった。

でも、そのすぐ目の前がクラクラしてきてバタッと机に伏せた。

『そんな簡単に騙せるなんて思ってもなかった。

あんたも忍たまならもう少し警戒したら？

じゃね〜』

ぼやけた視界で見えたのはルンルンに食堂ので口へ向かっていくAちゃんの姿だった。

そして最後に聞こえた話。

シナ｢Aちゃん、良くやったわ！補習は無しね！｣

『えへへ♪思ったよりチョロかったから

それにしても鶴ちゃんの毒、すごいね〜』

鶴｢う〜ん毒って言っても眠り薬だかね〜まだまだだよ！｣

『それにシナ先生も甘味ありがとうございました！すごく美味しかったです！』

シナ｢そう！良かった。また今度連れて行ってあげるわ｣

……毒？え、毒なの？

眠り薬？ちゃんと効果無くなるよね？

聞こえてるのに口は動かせなくてそのまま気を失った。

後に聞けば忍たまの誰かを騙し毒を盛る実習だったらしい。

あれから一時甘味がトラウマになった時期があった。