天才【BTS】 (ページ13)

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まさかのまさかだった。BTSのニュースを見てから、何かがあると僕の勘が言っていたけど、それが本当になるとは思わなかった。やっぱりメンバーみんなすごくかっこよくて、芸能人ですっていうオーラがすごい。あたりまえか。世界を股にかけて活躍するアイドルだし。

一応音楽関係の仕事をしている以上、彼らの音楽に興味はあるが、人付き合いが苦手な人間に、自分の好きなことの話とはいえ、まともな会話ができるとは思えないので、早々に諦めた。

リーダーのナムジュンさんがメンバーを呼びに行っている間、そんなことを考えていると、ロビーのソファーがある方から大きな荷物を持った7人＋スタッフさんらしき3名がこちらにやってきた。

『Aさん。この7人がお世話になるメンバーです。スタッフは近くのホテルに泊まります。』

「ああ、分かりました。それでは部屋に行きましょうか。」

『はい。では、スタッフはこれで。」

「あ、はい。」

ぞろぞろと引き連れて歩き始める。いつものエレベーターには一気にこの人数は乗らないので、2回に分けることになり、僕は先に上がることになった。

一緒に上がるのはリーダーのナムジュンさん。それから確かユンギさんとジンさん。。

エレベーターの中は異様に静かだった。初対面の人にわざわざ声をかけようとは思わないし、あちらも疲れているんだろう。わざわざ話しかけてこない。

ユンギさんは半分くらい目が閉じている。
ジンさんは口を少し開けてポケーッとしている。ナムジュンさんはどこか一点を見つめている。

僕は携帯をいじっている。とても気まずい空間だ。

自分の部屋の階に着けば、後から来る人たちを待って、少し時間がかかるかと思ったけど、案外早く来た。

「それじゃ部屋に入りましょか。」

「「「「はい！」」」」

後から来た組は随分と元気だった。