天才【BTS】 (ページ2)

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長時間のフライトを終え、降り立った地はアメリカ、ニューヨーク。
１５歳の僕にとってはニューヨークで一人で生活するということは少々酷なことではあるが、
自分で選んだ道だし、今後の生活を思い浮かべると胸弾む。

両親が用意した家は、セキュリティーも万全な高級マンションの一室で、一人の僕には少々どころか、だいぶ広い。あと10人は暮らせそうだ。

荷ほどきをし、これからお世話になる中学校への挨拶と編入手続きを済ませ、
両親からもらったクレジットカードを手に街に出る。

グランドピアノを購入。作詞作曲のための機材も。
家が広いなら、めいいっぱい使ってやろう。

生活用品、洋服、食材の購入。
ついでに自転車も購入し、自分の生活圏内の道を覚えるためにサイクリングをした。
こうして汗を流すことも、嫌いではない。

本格的に中学校に通うようになり、こんな僕にも友達はすぐにできた。
やはり、あの国の窮屈さの原因は人なのかもしれない。
自分と違うものにも寛容で、受け入れる暖かさがあるこの国の人は明らかにあの国とは違う。

新しくできた友達との関係は良好。勉強も余裕で着いて行けた。

アメリカにいる間は、音楽に力を入れて、ピアノで何百という曲が演奏できるようになり、また百くらいの曲を作曲し、そのうちの幾つかには詞も入れた。音楽に触れる時間は至福の時間だ。、

作った曲をYouTubeに公開すると、いろいろな著名人から作詞作曲の依頼をもらった。

もちろん全部受けた。自分で稼いで早くあの人達のお金に頼らずとも生活できるようになりい。

だから16歳になり、アルバイトができるようになったので、ニューヨークのとあるバーでBGMピアニストとして活動をした。これもまた好評で、いろいろな人が聞きに来た。

自分の音楽が認められること。それが嬉しくてたまらなかった。

それなりにいろいろなことを経験しながらも、僕たちは大人になる。

僕たちの進む進路はもちろん違うし、それを止める権限もない僕たちは、それぞれが思う幸せな未来のために、別れを惜しみながらもこの大都市から飛び出していく。

かくいう僕も、自分の未来のため、一度国に帰ることを決断した。