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「………ねぇ、裕翔くん、」
「んー？」
そして今日も、いつも通り、2人でひとしきり話してから、俺とやまの家の前の分かれ道。
突然立ち止まったやまは、静かに、喋り出した。
『…………男が好きだって言ったら、どうする？』
一瞬、頭がフリーズして、
そして、また動きだした。
「………好き嫌いは、性別で決められてるものじゃないと思うよ、」
どうにかして絞り出したその言葉は、少しいつもより明るめの口調で、
するとやまはふわっと笑って。
「よかった。………俺、有岡先輩が好きで、」
次の瞬間に、俺の頭はまたフリーズした。
「………そっ、か、………応援する。」
「ほんと！？ありがとう。こんなこと話せるの裕翔くんくらいしかいなくてさ……」
『俺じゃなかった』。
『俺だって言って欲しかった』。
あぁ、気づいてしまったんだ。
俺は、やまのことがすきだ。
俺はその日、恋心を自覚して、同時に失恋した。
やまの柔らかい笑顔が、
透き通るような演奏が、
かっこいい眼鏡姿が、
全部全部、大好きで、
………でも、この思いはもう届けられない。
いや、『届けてはいけない』。
俺はそっと、その気持ちに鍵をかけた。
いつだったか、やまが俺にパイを作ってきたことがある。
『これは、「シチリアレモンパイ」って言うんだよ？アイスにもなってたりしてるんだけど、ちょっとすっぱくてすごく美味しいんだ。』
そう言って得意げに出された箱の中は、一口サイズに切られた薄黄色のパイが綺麗に並んでいた。
『初めて作ったんだけど、……いつか、好きな人に食べさせてあげたくて。』
そう言って食べさせてくれたそのパイの味は、
さわやかで、さっぱりとした優しい味だったのを、よく覚えている。
今ではもう、思い出したくもない記憶のひとつとなってしまったけど。
「………あ！裕翔くん！」
やまと帰らなくなって、数ヶ月。
一人きりで歩いていたその帰り道で、ふと久しぶりに声を聞いて、振り返った。
「久しぶり！ぜんっぜんあわなくなっちゃってさ、どうしたのかと思った！」
大きく手をふった手のもう片方は、
誰かによって、握られていた。
笑い返すことしか出来ずに、
俺は、また歩き出した。
『ごちそうさまでした。』
(紹介するね！彼氏、でいいのかな、大ちゃんだよ！)
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あおの金平糖。(プロフ) - ありるんさん» いつも見てくださってありがとうございます！やまありですね！了解です！ (2019年1月3日 8時) (
レス) id: 151456d613 (このIDを非表示/違反報告)
ありるん - やまありが見たいです。大ちゃんが山田くんに甘える感じがいいです。できたら甘々がいいです。 (2019年1月3日 7時) (レス) id: 0223fc7bee (このIDを非表示/違反報告)
あおの金平糖。(プロフ) - yuriaさん» リクエストありがとうございます！すっごい亀更新なのに好きって言ってくださって光栄です！いのありですね！了解しました！ (2018年11月24日 1時) (レス) id: 151456d613 (このIDを非表示/違反報告)
yuria(プロフ) - リクエストいいですか？いのありお願いします！甘々できますかね？この作品大好きなので、これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年11月24日 1時) (レス) id: 30859cc1ac (このIDを非表示/違反報告)
あおの金平糖。(プロフ) - あゆたろうさん» ここではあおの金平糖。って呼んでほしいかなぁ……(苦笑)ほろ苦いのね。了解しましたー。 (2018年10月13日 20時) (レス) id: 151456d613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおの金平糖。 | 作成日時：2018年8月13日 2時
