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その男は、週に3回ほどやってくる。
「…ただいま。………いるか？」
自分の家でもないのに、平気で『ただいま』と家に上がってくる。
鍵も持っていないのに。よくやるよ。
「おかえり。…………どうしたの。そんなに血だらけで。」
「長引いちまったんだよ。もう逃げる状況なんてねぇのに、ぎゃんぎゃん犬みてぇに吠えやがって。」
そうやって舌打ちする彼を横目に、俺は風呂を沸かしに行く。
その男の名は、蝉。殺し屋だ。
本当の名前は知らない。教えてくれないから。俺、山田涼介と同じ歳、同じ顔、声も同じだ。最初は本当にびっくりした。
何故アイドルである俺が、なんの関係も無いはずの殺し屋なんかといるのか。それは、数ヶ月前にまでさかのぼる………
その日は、土砂降りの雨が降っていた。
仕事が終わって、折り畳み傘しか持ってなかった俺は、とりあえず急いで家に帰ろうとした。
そこで、いつもは使わない少しくらい路地裏を通った。
その時に、あいつがいたんだ。
コンクリで出来た壁にもたれかかって、目を閉じて耳鳴りに耐えてる、
俺と、そっくりの顔。
ドッペルゲンガーなんて本当にいるんだ、って、その時思った。
「…………誰だお前。殺られに来たのかよ。」
びっくりするほど低い声と共に、目が合った。
『同じ顔だ。俺も、あんたも。』
…………どっちからだったかな。そう呟いたのは。
あの出会いがなかったら、あそこで俺が立ち止まらなかったら、きっと蝉とは出会わずに、今までと同じ生活を繰り返していたんだと思う。
でも、あいつを前にして、通り過ぎるなんてことできなかった。
辛そうな蝉を、そのままに出来なかった。
それは顔が一緒だから産まれてくる仲間感なのか、それとも…………
「……涼介、風呂上がったぞ。」
耳元で聞こえた声にはっ、として、振り返る。
そこにはいつものように、俺の大きめのシャツを着てタオルをかけた蝉がいた。
「……あぁ、うん。」
「どうした。何か考え事か？」
「あ、いや……うん。まぁそんなこと。」
「そうか。」
血で汚れた服を持って、蝉は洗濯機を回しに行った。
いわゆる半同居のような状態になって数ヶ月、俺の家の仕組みを知り尽くした蝉は、すっかり住人だ。
「……また髪の毛乾かしてないね。」
「どうせお前がしてくれるからいい。」
「なにそれ。」
「してくれないのか？」
…………あぁ、蝉の前だといいえって言えないな。
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あおの金平糖。(プロフ) - ありるんさん» いつも見てくださってありがとうございます！やまありですね！了解です！ (2019年1月3日 8時) (
レス) id: 151456d613 (このIDを非表示/違反報告)
ありるん - やまありが見たいです。大ちゃんが山田くんに甘える感じがいいです。できたら甘々がいいです。 (2019年1月3日 7時) (レス) id: 0223fc7bee (このIDを非表示/違反報告)
あおの金平糖。(プロフ) - yuriaさん» リクエストありがとうございます！すっごい亀更新なのに好きって言ってくださって光栄です！いのありですね！了解しました！ (2018年11月24日 1時) (レス) id: 151456d613 (このIDを非表示/違反報告)
yuria(プロフ) - リクエストいいですか？いのありお願いします！甘々できますかね？この作品大好きなので、これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年11月24日 1時) (レス) id: 30859cc1ac (このIDを非表示/違反報告)
あおの金平糖。(プロフ) - あゆたろうさん» ここではあおの金平糖。って呼んでほしいかなぁ……(苦笑)ほろ苦いのね。了解しましたー。 (2018年10月13日 20時) (レス) id: 151456d613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおの金平糖。 | 作成日時：2018年8月13日 2時
