たくやくん と 1週間。

･ ページ45

.







拓弥サイド







隣で嬉しそうな祐基の顔を見た瞬間、俺は間違った相手を好きになってしまったかもしれない、と思った。






平野の存在を知ったのは9月のこと。







稜雅と2人で祐基の教室に遊びに行った時、祐基と楽しそうにはしゃいでいたのが平野だった。








最初は、まあ、自分のタイプの顔だったっていうだけだったけど、気になって稜雅に平野のことを聞いたら、祐基は同じ部活である稜雅にだけ平野の話をよくしていたみたいで、なんでも教えてくれた。








どこが可愛いだとか、どんな性格だとか、色々話してくれて。





前までろくに恋とかしてなかったけど、平野のことは本当に気になっていて、稜雅から飽きることなく話を聞いていた。









初めて話したのは10月。






売店でメロンパンを買おうとしたんだけど、売り切れていて、帰ろうとしたら、近くでメロンパンを抱えていた平野がメロンパンをくれたんだ。








｢ メロンパン、好きなんですか？ ｣






拓弥｢ え、ま、まあ ｣






｢ 祐基といつも仲良くしてくれてるから、

お礼って言ったら変だけどあげます！ ｣






拓弥｢ え？いいよ、別に ｣






｢ いやいや！私はこっち食べるんで ｣









お礼もいう暇なく彼女は去っていった。






それから、メロンパンをくれた時の可愛らしい笑顔が頭から離れなくて、２年になって同じクラスになった時は心臓破れるぐらい嬉しかった。






それから平野から目を離せなくなって密かに片思いしてたんだ。









.

･→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す