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拓弥「 数なんてよく知ってるね。
バレンタインを利用して告白したんだ。
他の子とは違うとか思ってるのかもしれないけど
そんな子何人もいるし、普通の日に呼び出して
告白してる子なんて山ほどいるよ。
ま、全部断ってるけど 」
「 なっ、さ、最低!やっぱり告白撤回させて、 」
拓弥「 最低はどっち?俺のどこが好きなわけ?
なんも知らない癖によく告白して、
よく撤回しようと思ったね 」
「 だ、って、ずっと憧れだったから… 」
好きじゃなかったら去年のチョコの数も今年のチョコの数も覚えてないよ…。
こんなにボロクソ言われるなんて思ってなかったし。
拓弥「 ちょっとこっち向いて 」
涙が出そうで俯いていたら、私にそう言った。
でも、こんな、泣くのを堪えている顔を見られたくなくて、顔を上げなかった。
拓弥「 顔上げろよ 」
「 やだ 」
拓弥「 上げろ 」
「 やだ 」
拓弥「 あー、めんどくせえ、 」
そう聞こえたと思ったら、突然私の顎をぐい、と掴み、彼の顔に向けさせられた。
「 やめて 」
拓弥「 やめない 」
彼は内ポケットから、リップを出して片手でキャップを開けた。
そして、少し丸まったそれを私の唇に押し付けた。
あまりにも衝撃的で言葉を失っていると、丁寧にゆっくりと、私の唇にリップを塗った。
ちょっと待って、私何されてるの?
顔近いし、こんなこと普段されない(されるわけない)から、ドキドキして彼にその音が聞こえてしまいそう。
何周か塗ると、彼は
拓弥「 お前唇ガッサガサ。
これやるから、本当に俺が好きなら
1週間後出直してこい 」
と言って、リップを近くにあった机に置いて、教室を出ていった。
え、何が起こったの…?
まず、このリップは一体誰の?
私が塗られる前から使われていた感あったけど、貰っちゃっていいのかな?
拓弥くん、近くで見ても綺麗な顔してたな…。
額や首には汗が流れていて、いかにも部活中の拓弥くん。
1週間後…。
次の火曜日か…。
これで唇をぷるぷるにすれば、ちゃんと告白を受け入れてくれるんだよね…。
振られるかもしれないけど、チャンスを貰ったんだから頑張らなくちゃ!
ボロクソ言われたことは考えないと決めた。
運命の日まで
あと1週間。
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(大川 )あや(プロフ) - 初めまして!甘過ぎず、苦すぎない微妙な甘さがあって、ずっときゅんきゅんしてました!終わり方も綺麗な落ち方で凄く参考になりました! (2019年3月1日 13時) (レス) id: af94ab82c1 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん(プロフ) - 最高ににやけました。読んでてほんとに幸せな気持ちでいっぱいでした!!今でもにやけが止まりませんw (2017年3月1日 18時) (レス) id: 212b190c3c (このIDを非表示/違反報告)
菱(プロフ) - 一週間だった!早いな笑寂しいですけど、幸せストーリーをありがとうございます! (2017年2月23日 1時) (レス) id: d91f510f78 (このIDを非表示/違反報告)
きーちゃん - 毎回見させてもらってます!鎖骨ちゃんさんめっちゃ小説書くの上手いです!とってもキュンキュンさせてもらってます!!これからも読ませてもらいます!頑張ってください!!あと!お体にお気おつけください! (2017年2月22日 20時) (レス) id: dd940f8b79 (このIDを非表示/違反報告)
りゅーちゃん(プロフ) - 鎖骨ちゃんさん» はやく治りますように!。 これからも読まさせていただきます(^人^) (2017年2月22日 12時) (携帯から) (レス) id: f2d9b8567a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鎖骨ちゃん | 作成日時:2017年2月13日 22時